関東の河川シーバスで有名な多摩川。都会に居ながら気軽にシーバスを狙えるのは魅力的です。しかしポイントも広く、さらには「釣れない」という声もちらほら…
ここでは初めて多摩川でシーバスを狙おうとしている方のために、シーバス釣りで名高いポイントと、釣り方のコツを考えていきます。
なお、実際に釣行してきた日のことを記事にしてあります!体験記としてご活用ください!
多摩川のシーバス釣りができる4ポイント
まず、多摩川はやたらと堰が多く、シーバスは登戸の二ヶ領宿河原堰より上には遡上しません。
これより下流域でシーバスが釣れやすいポイントを探っていくことになります。多摩川シーバスで有名なポイントは、登戸二ヶ領宿河原堰付近、ガス橋付近のいわゆる武蔵小杉エリア、六郷橋あたりの川崎駅エリア、そしてそれより下流~汽水域を含んだ京急大師線エリアです。
1 中流域①:登戸「二ヶ領宿河原堰」付近
登戸の二ヶ領宿河原堰は、完全真水のリバーシーバスが楽しめます。潮の満ち引きも関係なく、アユやスモールマウスバスの釣果のある場所です。ちなみに堰の前後80mは釣り禁止です。
プロシーバサーの大野ゆうき氏が爆釣させたのがこのポイント。宿河原堰の水のたまり場にシーバスが潜み、落ちてくるアユを捕食していました。ただ、氏の動画で有名になり、ポイントが集中的に叩かれてしまったのと、2019年の台風15号、19号の影響で地形が変化し、今ではほぼ釣れません。
その下流域は開けていて、東名高速や国道246号線の橋脚など変化に富む場所も多いため挑戦し甲斐がありますが、魚影は濃いとはいえず、浅くて根掛かりもしやすいので初心者には正直厳しいです。
どちらかというとブラックバス(スモールマウスバス)がおすすめ。
2 中流域②:二子玉川
楽天の本社ビルなどがある二子玉川。シーバス遡上流域としては最も上流に位置します。野川や新川という支流の合流地点、いわゆる流れ込みと二子橋などストラクチャーも豊富。
近くにコインパーキングも多く車でも来やすいですね。
万が一コインパーキングが空いていなくても、この付近は住宅街の真ん中に位置しているため、個人間の駐車場貸し借りサービスakippa が使えます。
akippaなら事前に予約できるため、土日などの混む日の釣行でも安心。しかも、コインパーキングよりも安いことが多いです。気になる方はこちら。
ただ、浅い多摩川でも最も浅い部分であり、検索などでも釣果は聞きません。ボラの集団が泳いでいるのを見たことがありますが、初心者の練習としては厳しい場所かもしれません。
3 中流域③:武蔵小杉(ガス橋・丸子橋)
武蔵小杉エリアのアクセスの良さは抜群。電車でも来られるため、車を持たない方も気軽に来やすいです。実は釣果も上がっています。
ただ、とても有名な場所で超絶ハイプレッシャーで、初心者は釣れないでしょう。休日には入れないことも多いため注意が必要です。ポイントも絞られてくるため、特に手長エビの季節は釣り座が埋まっている場合があります。
どちらかというと神奈川サイドより、東京サイドのほうが整備されいて入りやすいです(写真は奥の方)。駅から近くてストラクチャーも豊富。練習にはもってこいですが、釣果や釣り座確保については覚悟しなければいけない場所…と言えそうです。
4 下流域①:川崎駅付近(六郷橋)
六郷橋あたりの川崎駅エリアは最もおすすめのポイント。川崎駅から徒歩10分と、アクセスも抜群。全体的に浅い多摩川としては珍しく、満潮時には水深が10mを超える場所もあります。足場もコンクリートになっていて釣りやすく、橋の付近は明暗がはっきりしていてポイントも絞りやすいのです。
これまでご紹介した中流域は堰があり、シーバスが遡上しづらいため数が少ない。そして、これ以下の汽水域のエリアはウェーダーがないと浅くて釣りにならない…という場所も多く、必然的に六郷橋あたりが多摩川の一級ポイントと言えます。
潮の満ち引きによって流れが変わりますが、ベストな釣り場所は、橋を挟んで流れの上流側に立つことです。ただ、あまりにもハイプレッシャーで先行者もたくさんいます。特定の場所にこだわらず、ランガンするのも手です。
六郷橋の釣り方、推奨ルアーについては下記記事で詳しく書いてあります。よければご覧ください。
ちなみに、武蔵小杉と六郷橋当たりもakippa使えます(使用済み)。
5 下流域②:大師橋以降の河口域
大師橋から下流の河口域のエリアは、川幅が広く、東京湾からベイトを求めて入ってきたシーバスがうようよしていて期待しやすい場所。
オカッパリからは、東京都の海老取川との合流地点などがおすすめ。
ただ駐車場はなく、対岸は羽田空港の施設で立入禁止。さらに、上流側は船の係留場所が多くあり、かつ、水深も浅めのため難易度は高め。
実は河口域は幅が広く水深はかなり浅いのです。そのため、河口域でのおすすめの釣り方はウェーディング。
ウェーダーという胴長を着込んで腰くらいまで水に入り込んで沖を狙います。橋の明暗や沖の船舶が通る場所などは深く掘れているのでそのカケアガリになる部分に潜んでいることがあります。
エントリーでおすすめなのは、殿町第2公園。駐車場が目の前にあり、トイレや水場も整理されているため、入りやすく、多くのウェーディング目的のアングラーがここからエントリーするようです。
ただ、ウェーディングは思わぬ危険もつきものです。東京側は特にぬかるみが深く、死者も出ています。ライフジャケットやエイガードはもちろんのこと、できればベテランの人に教わりながらやることをおすすめします。
多摩川は難しいがよい練習場所
いくつかポイントをご紹介しました。では、釣り方はどうすればよいでしょう? まずは、多摩川がどういう川か…多摩川は釣りには非常に難しいフィールドということを認識しましょう。その理由は以下の3つ。
多摩川は横幅が広く、底が浅い河川です。シーバスは浅場にたまることはありますが、それは深い部分があるという前提。浅いため根掛かりも多い。選べるルアーも限られ、難しいのです。
さらに、多摩川はシーバスのスレ(釣られすぎてルアーに食いつきづらくなる)が強いです。初心者~中級者くらいのほとんどのアングラーは1バイトもなく帰宅…なんてことは日常茶飯事です。
しかし、難しい部分があるからこそ、ここで慣れた人はほかの湾奥スポットなどは非常に狙いやすく感じるでしょう。多摩川も狙いどころをしっかり押さえれば、必ずレスポンスはあるばかりか、他の釣り場で釣果を上げるかなり有効なトレーニングにもなる川です。
多摩川でのルアーチョイスのポイント
特別な気構えは不要
いろいろなサイトを見ていると多摩川はスレが強いため、ナチュラルカラーでサイズは小さ目・・・というのを見かけます。スモールマウスならそうかもしれませんが、シーバスは回遊性の個体も入ってくるため、一概にそうとは言えません。
例えばスレが強いので鉄板バイブは使えない、と思われがちですが、濁りのある夏場などでは普通に食ってきます。最初から「多摩川は●●は釣れない」と、ルアーの選択肢を捨てるのはもったいないです。先入観を捨て釣り場の状況に応じたルアーチョイスを考えましょう。
根掛かり対策を
多摩川は浅いため、底を這うように泳ぐメタルバイブなどは根掛かりがしやすいです。そのため、ミノーはフローティングを多めに、バイブレーションなどはなるべく満潮前後。それ以外の時はロッドのティップを上げ気味にして根掛かりしないように気をつけましょう。
特に、中流域は浅くて狭く、川底も根掛かりのしやすい大きな石がごろごろしているため、鉄板バイブはNG。ワームや樹脂製バイブを使用する際は十分注意して使いましょう。
多摩川で釣れるおすすめルアー
ナイトゲーム
サイレントアサシンは有名すぎるルアー。投げて同じ速度で1秒間に1回転ほどで巻いていきましょう。ブリブリ泳がせてもおそらく反応はないです。できればアップクロス(上流)にキャストし、水の流れと同じ速さでルアーを流します。
橋の明暗がある場合は明るい方を暗部になるギリギリを意識してゆっくり流していくとよいです。
シンキングペンシルはサイレントアサシンと違い、リップレス(ミノーのあごについている水受けがない)なため、ナチュラルな動きが出てスレたシーバスの多い多摩川での相性が良いです。
シンペンなら「スイッチヒッター」をおすすめしたいところですが、これは重めで沈み込みがち。根掛かりが気になるため、上記のワンダーなど浮き気味のシンペンがおすすめです。
多摩川シーバスはとにかくスレているため、ミノーもシンペン超デッドリトリーブ(2秒でハンドル1回転くらい)しましょう。「巻いている感がない」と初心者には嫌われがちですが、「巻いている感がない」のがシンペンが最もよい泳ぎ方をしている証拠です。
バチ抜けで有名なノガレですが、多摩川の場合、スレたシーバスに口を使わせる最終兵器としておすすめします。バチ抜けにはもちろんですが、全く食わない場合はノガレを使用してみましょう。
ノガレは、水面をルアーが半分くらい浮いてしまっています。そしてアピール力もかなり弱い。そのため、流れが緩やかで風がほとんどないとき、そしてボイルが頻発し、シーバスの意識が水面に向いているだろうというときがおすすめ。河口域や六郷橋あたりで使用しやすいです。
使い方は、下流でも上流でも構いません。キャストし、1秒間に1回以下の超ゆっくりで巻いてくる、もしくは、上流にキャストし、ただ浮かばせているだけ(流れで緩んだ糸は回収)。ノガレから出る微細な水面の波動がシーバスに口を使わせます。
デイゲーム
デイゲームの具体的な狙い方の例ですが、まずはバイブレーションを投げてみて探っていき、反応がないようであればテトラ際を狙うとよいです。
鈴木町を出て川崎河港水門より下流に下っていくと写真のように広いテトラ帯が広がっています。こういった場所にシーバスは居着いています。デイゲームではこういうところ狙うとよいです。
特に水が赤っぽく濁っているときは緑色のメタルバイブなどで狙うのがおすすめ。そしてバイブレーションがダメならワーム、と変えていきます。デイゲームと言えば、コアマンのVJ-16。メタルバイブを使用される場合はくれぐれも根掛かりにお気を付けください。
私は上記「IP-26 イワシゴールド」で5月にヒットさせたことがあります(バレましたが)。
渋いときはシリテンバイブなどもおすすめ。鉄板バイブよりもアピール力に劣りますが、針がぶつかる音すら消すためスレたシーバスが口を使いやすいのです。
多摩川シーバス釣行の注意点
多摩川は「川」です。広いですが海釣り公園ではなく、専用の駐車場はありません。ただ、都会の真ん中を通る川ですから、近くに有料のパーキングは必ずあります。
路駐が多いと、釣り禁止になることがあります。都会なので、違反切符もすぐ切られますよ。くれぐれも違法駐車だけはしないようにお願いします。
そして、再度の登場となりますが、akippaなら、相場より500円前後安く借りられます。予約もできてオススメ。多摩川は住宅地に挟まれているため、スペースはたくさんあるはずです。
また、ランニングやゴルフ、散歩など、別の目的で訪れている方もいます。ルアーをキャストする際は必ず周囲に気を配りましょう。
まとめ:「通う」ことが近道である
多摩川は基本的に難しい川です。ここでご紹介したのはあくまでも初心者がエントリーするための入り口。
何本も釣りあげて「マスター」になるには「通う」ことが一番です。通えば、根掛かりしやすいポイント、流れのヨレができやすいポイント、釣り人に人気でいつも誰かが入っているポイント、などが自ずとわかってきます。そのアクセスの良さを生かして多摩川シーバスマスター目指して頑張ってください!