「回遊」か「居着き」かで考える、シーバスの釣れるポイントチョイスの方法

シーバス釣りでは、ただ漠然とルアーを投げるのではなく、シーバスのいるポイントを見極める「ポイントチョイス」が重要です。同じ釣り場でも、ポイントによって全く釣れない場所と、入れ食いの場所が分かれていることがあります。

ルアーで釣れない原因は、適切なポイントチョイスができていないからかもしれません。今回はシーバス初心者のための「釣れるポイント」見極めのための考え方を解説します。

ちなみに、いくらポイントチョイスがよくても「シーバスのよくいる釣り場」にいなければ釣ることはできません。シーバスのいる釣り場選びについてはこちらをご覧ください。

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ポイント選びの前に「回遊」か「居着き」かを考えよう

「ストラクチャー」「潮目」といった個々のポイントのチョイスに入る前に、まず2種類の行動の違うシーバスについて知らなければなりません。

それは「回遊するシーバス」と「居着きのシーバス」です。これらは居着いている場所も使用すべきルアーも異なるため、それぞれがどんなシーバスなのかを理解し、自分がどちらを狙えばよいのかを事前に知っておくべきなのです。

回遊のシーバス

普段は外洋を泳いでいて、イワシなどのベイトを追って港湾や河川に入ってくるのが回遊のシーバスです。

普段はキレイな外洋を泳いでいるため、銀色の美しい色をしていて、あまり人間の怖さを知らないためルアーで釣りやすい個体です。においもないため、食べる場合のおすすめ個体です。

回遊と思われるシーバス。銀色のきれいな体をしている

居着きのシーバス

逆に、特定の場所に住んでいて、あまり外洋には出ない個体を「居着きのシーバス」と言ったりします。

川なら川、海なら海の特定の狭い場所を周回するイメージです。こちらは橋脚際やボトム、岩の影など、物理的な障害物にいることが多いです。

完全居着きのシーバス。真っ黒ですね。「オナラのにおい」がしました><

東京湾などの都市港湾に住み着く個体は、上記写真のようにその場所の水に染まり、黒くなり、個体によってはヒレがぼろぼろになっていたりします。臭うものもあり、あまり食べることはオススメしません。

「回遊」を狙うか「居着き」を狙うかで戦略が異なる

回遊を狙うのか居着きを狙うのかによってルアーの選択や狙うべきポイントが異なります。

時期や場所によって回遊が多いのか居着きを狙うべきなのかある程度わかりますので、自分の中でどちらを狙うかをはっきりさせてからポイントをどうするかを絞ったほうがよいです。

回遊居着き
見分け方銀色をしている黒色をしている
狙いどころ潮目・ヨレストラクチャー等
釣り人にとっての
メリット
釣りやすい冬などの厳しいシーズンにも
安定して釣れる
釣り人にとっての
デメリット
釣れるときと
釣れないときの差が激しい
スレていて釣りにくい
おすすめルアーバイブレーションなどの
アピール系ルアー
ミノーなどのリアルなルアー
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回遊を狙う場合

これからシーバスのポイントを探ろうとする人は、まず自分が回遊狙いなのか居着き狙いなのか、もしくはその釣り場が回遊、居着き、どちらが多いのかはっきりさせてから探しましょう。

以下では、回遊と居着き、それぞれが多い時期、場所、そして狙い方をご紹介します。

回遊が多い時期

回遊するシーバスが多いのは断然暖かい時期、特に夏が多いです。暖かくなり、外洋に避難していたシーバスが戻ってきます。そしてイワシなどのベイトを追って港湾部にも入ってくるからです。

春や秋なども上り鮎や落ち鮎を狙って外洋から入ってくることがありますが、「入れ食い」になるほど個体が増えるのは夏です。

回遊が多い釣り場

回遊のシーバスが多い釣り場は断然潮通しの良い海釣り公園沖堤防などです。東京湾であれば若洲海浜公園や東扇島西公園などが挙げられます。

河川にも入ってきますが、あまり数はないでしょう。狙うとしたら塩分が濃く、潮目の出る河口域などがよいです。

回遊シーバスのいるポイント

回遊シーバスは、名前の通り、泳ぎ回っているため、堤防際、橋脚などの建造物ではなく、潮目や流れのヨレなどの、水の流れの変化を狙うとよいです。

海面の色が違うところが潮目です

基本的に「いるところに打つ」のではなく、「来そうなところで待つ」戦略。そのため、ルアーもアピール強めの物を使用し、潮目や流れの乱れているところをレンジをネチネチ変えながら攻めるとよいです。

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居着きを狙う場合

居着きが多い時期

居着きは名前の通り「居着いている」ので、年中狙うことができます。したがって、時期よりは、場所で選ぼう方がよいでしょう。

ちなみに回遊がほとんど来ない12月~3月の厳寒期は居着きメインで狙う釣りになります。

居着きが多い釣り場

潮通しのよい広い場所にも居着いていますが、広すぎて探すのが大変なので効率が悪いです。そのため、居着きをあえて探す場合は、障害物が多く、狭い釣り場などになります。

具体的には、運河や河川、港湾の建造物がごみごみしているとこなど。

隅田川

バチやハゼなど、回遊しないエサをベイトにしている場合、狙うは居着きのシーバスになります。そのため、シーバスが何を食べているか(ベイトパターン)を意識することも、居着きか回遊かを判断する材料になります

これは、ナイトゲームのシーバスを狙うときと、考え方は同じになります。

>>>シーバスのナイトゲームの釣り方のポイント

ちなみにバチパターンの場合はまた違った釣り方になりますので、気になる方はこちら。

居着きシーバスのいるポイント

①堤防の際

堤防の際はシーバスがよくいるスポットです。「足元のこんな近いところにいるの?」と驚かれるのですが、実は一番居着いている可能性の高いスポットなのです。

なぜなら、落ちてくる虫や貝が多いから。そのため、クロダイも多く外道として一緒に釣れて楽しいのが特徴。

到着したらすぐに先端に立たず、ロッドのティップの先が堤防先端からでないくらい後ろからキャストをしてみましょう。人のいない広いところであれば、堤防際にキャストしてみるのも◎です。

②橋脚周辺

マストなのは橋脚周辺部。橋があったら必ず狙いましょう。流れてくるベイトを待ち伏せしているので、橋の下流側の流れの乱れている場所、もしくは橋の陰になっている場所に居着いていることが多いです。

ナチュラルドリフトなどでプラグを上手にそこに持っていけば食わせることができます。

③複雑な地形

とにかく狭くて流れが複雑な場所は居着きのシーバスがいる可能性が高いです。具体的には下記のイラストのような場所。ここは他では全く食わなかったのに、ここだけ入れ食い状態でした。

こんな感じ

こうした複雑な地形を発見したら迷わずルアーを投げてみることが大切です。

④ボトム

意外とボトム(海底)もストラクチャーの1つです。釣り場に到着したらまずバイブレーションなど比重の重いルアーでボトムを探るところから始めましょう。

先ほどのこれは、ボトムにワームを落としたら食ってきました。

広くてストラクチャーのない場所で回遊個体もないと飽きてしまいがちですが、ボトムをネチネチと狙うと居着きのシーバスに出会えることがあります。

⑤水中の見えないストラクチャー

水中にはカケアガリといって、斜めになっているところ、水中の見えない部分にある岩礁、自転車等のゴミなどもシーバスが隠れ住みには格好の場所です。

水中のストラクチャーは陸から見るだけではわからないため、ルアーの感触などを頼りに探るしかありません。難しいですがいいこともあります。

例えば、橋脚などのわかりやすいストラクチャーは先行者がいて入れないことが多いです。しかし、見えないストラクチャーを知っていると「自分だけのホットスポット」を知ることができるようになります。

居着きシーバスの釣りのポイント

居着きのシーバスは獲物を追いまわすのではなく、通りがかった獲物を待ち伏せして獲る、という狩りをしています。そのため、アクティブなルアーではなく、ベイトパターンに合ったルアーを流していき、待ち伏せしていたシーバスに食ってもらう…という釣り方になります。

そのため、よく使うルアーはワームやバイブレーションより、ゆらゆら漂えるプラグ(ミノーなど)が中心になります。ただ、ボトムを狙う場合などでバイブレーションやワームも使う機会はありますので選択肢からは外さないようにしましょう。

シーバスは大きくなるにしたがって泳ぎが下手になり、居着きとなって待ちの狩りをするようになります。したがって居着きを狙う釣りは80cm以上のランカーシーバスを釣るチャンスでもあります。

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まとめ

シーバス釣りのポイントチョイスはまず回遊を狙うのか、居着きを狙うのかで大きく変わってきます。そのため、両者の違いを見極め、自分のいる釣り場が果たしてどちらのシーバスがいるのかを冷静に見極めることが必要です。

それでも釣れない場合は、もしかしたら釣り場そのものの選択が間違っているのかもしれません。いったん釣り場が適切かどうかも含めて考え出直すことも必要です。シーバスのいる釣り場選びについてはこちらをご覧ください。

ポイントチョイスはシーバス釣りにおいて、釣り場選び、ベイトの見極めと並んで大変重要なエッセンス。是非極めてみてください。

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