このシーバス(スズキ)食べられる?リリースの基準や締め方を解説

シーバスの食べ方とリリースの基準
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シーバスとはスズキのこと。スズキは旬の時期には高級な魚として江戸っ子などにも楽しまれてきた魚です。

しかし、東京湾などの都市に潜むシーバスは「臭い」という噂や、寄生虫の不安が原因でリリースするか迷う人も多いみたいです。

そこで、筆者がの経験と調査から、東京湾など都市でも食べられるシーバスの見分け方とシーバスをおいしく食べるためにすべきことや注意点なども紹介します。

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シーバスを食べるか、食べないかの基準

まず、シーバスは確かに「食べられるもの(食べておいしいもの)」と「食べられないもの(味の落ちたもの、寄生虫の危険のあるもの)」があります。これから述べる4つの基準に照らし合わせると食べられるかどうかが大体わかります。

シーバスを食べるか食べないかの基準
  • サイズ(体長)
  • 太さ(体高等)
  • 釣れた場所
  • 皮膚の色味

他にもいろいろと要素があり、完全ではありません。しかし、この基準で大体の「外れ」は回避できます。1つずつ見ていきましょう。

サイズ:30~60cmくらいが食べられる

シーバスはサイズによって食べられるかどうかが変わります。シーバスの食べられるサイズは30cm~60cmくらいと言われています。

30cmより小さいセイゴサイズは水っぽいと言われます。逆に80cmを超えるランカーシーバスは、高齢魚であることが多く、実がパサついておいしくないと言われます。

少し小さかったけど、十分おいしかったです(上はいしもち)

太さ:痩せている個体はリリース

痩せているシーバスはそもそもおいしくないです。中には、シーバスの内臓に寄生虫がいて栄養が吸い取られてしまっている可能性があります。後述しますが、寄生虫は人体に害のあるものもありますし、何よりも気持ち悪いですよね…。

釣れたらできるだけ傷つけずに早めにリリースしましょう。

場所:河川より海のものを食べよう

シーバスは河川も遡上しますが、河川で取れたシーバスはやめておきましょう

川は淡水独自の臭いがキツいからです。いわゆる泥臭さや、川藻の臭いが独特で、うまく処理しないと結構臭います。さらに、シーバスは地方の清流ならともかく、たいていは都市の下水(処理済み)が流れ込む川にいて、その臭いがついていることが多いのも理由の1つです。

一方、海であれば、居着き(後述)の個体を除き、比較的おいしい個体が多いです。食べる場合は港湾など、海で釣れたものにしましょう。

色味:回遊タイプを厳選せよ

シーバスを食べるかどうかで決定的に大事なのは

居着き回遊かどうかです。

シーバスはその場に長く留まる居着きの個体と、外洋からイワシなどのベイトを追って湾に入ってきた回遊の個体の2種類が存在します。

このうち「居着き」ではなく「回遊」を持ち帰りましょう。詳しく解説します。

居着きのシーバス

東京湾奥など汚染のある所で、60cm前後の大きなシーバスが居着いていると、とても臭くなると言われています。経験談ですが横浜で釣れた居着き個体(40~50cm)は、釣れたシーバス(生きている)からオナラの臭いがしました

居着きの見分け方は簡単で、居着きは黒々とその地域のヘドロなどの色が身体についています。

ボトムや障害物に潜むために、ヒレもボロボロなことがあります。

居着きシーバス
オナラの臭いがした「居着き」シーバス

こんな真っ黒なシーバスが釣れてしまったら迷わずリリースしてあげましょう。持ち替えるだけ無駄になってしまいます。

回遊のシーバス

一方回遊のシーバスは、きれいな水の中を優雅に泳いでいるので銀色に輝いていてきれいです。30~40cmの若い個体に多いです。

回遊シーバス
回遊と思われるシーバス

上の写真のように違えばいいのですが、判断に迷うシーバスも存在します。気になるならリリースしましょう。気にならないよという方は、以下の方法で完璧な状態にするか、フライなど臭いの気にならない調理法をおすすめします。

60cmのシーバス
これは正直迷う(たぶん大丈夫)
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シーバスの臭みを出さないおいしい食べ方

居着きシーバスを釣ってからこの記事を見てしまった人。落ち着いてください

臭いの気になりそうなシーバスを釣ってしまっても、適切に処理をすれば気にならないレベルにまで臭いを消すことは可能です。

シーバスをしっかり「締め」て「血抜き」する

シーバスに限らず、魚が釣れたら「締め」をしましょう。締めとは、中枢神経系を破壊し、魚を即死させることです。実は魚の臭みの大半は、釣れた後の処理のまずさにあると言われています。あらゆる「臭い」物質は魚の死後発生するからです。

シーバスの場合、脳天にピックを突き刺す「脳天締め」に加え、脊椎内部にワイヤーを通す「神経締め」をすることで、かなり鮮度が保たれるそうです。詳しくは以下で締め方について解説していますのでよければご覧ください。

また、生臭さの原因No1の血液を抜くために、血抜きもしっかりしましょう。エラの裏の頸動脈と尾の上部(根本)の動脈を切り、頭を海水につけます。実がぐしゃぐしゃになるので、つけるのは真水ではなく海水であることにご注意ください。

当然ですが、その後は氷水にドボンです(以下の内臓の取り出しを推奨)。直接真水が触れないように魚はビニールに入れるなどしてください。

シーバスの内臓は取り出しておく

できれば釣り場で締めた後に、内臓を取りましょう。内臓やそれ自体の臭いや胃腸の内容物などの臭いが身に染みてしまい、生臭さの原因になります。締めと血抜きをした後はその場で捌いて内臓を取り出しておくことをおすすめします。

ちなみに、魚の内臓を食べることがありますが、白子や卵巣など一部を除き、海の魚ではほとんどの内臓は食べられません。例外もありますが、もし魚料理の知識がないのであれば食べないのが◎です。

シーバスの皮は必ず剥ぐ

魚は本来身に臭いはついていません。なのに臭いのは、皮がついているからです。
刺身にする場合は皮を剥ぎますが、フライや焼き魚にする場合も剥いでしまう方が臭いが取れます。

シーバスは身もしっかりしていますし、皮も厚く、剥ぎやすいため、どのような料理をするにしても面倒くさがらずにとってしまっておくのがおすすめです。

シーバスの臭いの気にならないレシピにする

最終的にはシーバスを臭いの気にならないレシピにするのが一番です。

例えば刺身は一番臭いが気になるので、ショウガなどをつける、カルパッチョにするなどの方法があります。臭いを取りながらもおいしく仕上げるレシピは料理サイトにたくさん載っています。

ちなみに、私は以前、シーバスをフライにして食べたら、タルタルソースも混ざり、臭いはまったく気になりませんでした。

「じゃあタルタル味になるのか」というと、スズキは脂がのっているし、衣のサクサクと身のフワフワ触感が合わさっているので、ちゃんと「スズキの味」がします

めちゃくちゃおいしかったですよ。

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シーバスの寄生虫に注意

シーバスが食べられるかどうかで気になるのは寄生虫がどうなのかという点ですよね。そこで、シーバスにつきやすい寄生虫を3つ挙げさせていただきました。

健康にかかわることなので、それぞれ厚生労働省や東京都などの公的機関のリンクも付けました。ぜひそちらもご覧ください。

胃を食い破るアニサキスさん

危険レベル大、遭遇レベル小(でも近年増加傾向)の寄生虫がアニサキスさんです。サバなどの青物を食べて食中毒にかかる方が多いですが、シーバスに寄生することもあります。食べると胃を食い破って激痛を引き起こすと言われています。

予防方法としては、熱で死亡しますので生で食べないことが挙げられます。もしくは冷凍してしまうことです。注意深く身をみれば発見できることもありますが確実ではありません。

アニサキスさんは内臓にいて、死ぬと次の宿主に移るために身に移動すると言われることがありますが、確かな情報ではないようです。やはり、焼くか冷凍するかしたほうが安全です。

アニサキスによる食中毒を予防しましょう

卵巣にいらっしゃるフィロメトラさん

シーバスといえばフィロメトラさんが有名です。これは卵巣に寄生する小さな寄生虫で人体には害はないとされます。秋口に、卵を持ったシーバスが釣れて、スズキっ子だ~!とばかりに開いてびっくり!なことがあります。

まず、見た目的には非常に許せません(笑)。なぜなら以下の写真のように、大きくなると集まって、1本のミミズのようなおぞましい姿になられます。【以下、グロ注意】

右側の黒いやつが、数百匹が絡み合ったフィロメトラさんです

私はいただく前に調べたからよかったものの、もうちょっとでフィロメトラさんの醤油の甘辛煮を口にするところでした。今考えても虫唾が走りますね…。

対策としては、卵巣にしか寄生しないので卵巣は食べないようにするしかありません。

フィロメトラ|「食品衛生の窓」東京都保健医療局

筋肉にいらっしゃるクドアさん

釣り人を最もがっかりさせるのはクドアさんという寄生虫です。筋肉に寄生しています。切り開くとポツ、ポツ、と、1~2mmくらいの白い斑点がついていますが、それがクドアさんです。

いろいろ探したのですが、一番イメージに沿っていたので以下のブログを勝手にご紹介します。

寄生虫 クドア・イワタイ(ばーとんのシーバスブログ)

若干ですが、人体にも有害だそうなので、発見した場合はもったいないですが食べずに捨てましょう。シーバスだけに限らずヒラメなどのフィッシュイーターに多く見られるそうです。

ショックなのは、見た目の気持ち悪さもそうなのですが、苦労して釣り上げ内臓処理などもちゃんとしたのに、筋肉にいるがゆえに防ぐ術がない点。そして開くまでわからない点。

私もめちゃくちゃ落ち込みました。残念ですが、捨てましょう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133250.html
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火を通せば大体OK!だけど気を付けてね

シーバスはもともと食用にもなる魚です。しかし、東京湾などの都市港湾の汚染で食べられるかどうかを考えなければいけなくなりました。海の環境は大事にしたいですね。

ただ、もともと毒魚ではないので、火を通せば命にかかわることはまれです。せっかく釣れた大きな魚!是非味わうという形で最後まで楽しんでください。

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