シーバスルアー釣りはかつてナイトゲームの釣りと言われてましたが、優秀なデイゲームルアーの登場で、今ではデイでも普通に釣ることができるようになりました。
デイゲームの釣り方のポイント
釣れる時間帯がある
シーバスはデイゲームでも釣ることができますが、個人的な経験も踏まえると朝マズメ~10:00くらいと、15:00~夕マズメくらいでないと釣れない印象があります。
動画などでプロが13:00くらいにひねり出しているのを見たことがありますが、初心者にはかなり難しいでしょう。逆に言えばマズメ時でなくても釣れますが、正午前後のド日中は難しいということです。
天候や時間帯を選ぶのも釣るための大事な条件になります。
大場所・小場所で2パターンのやり方
シーバスのデイゲームは沖堤防や海釣り公園、河口付近などの広々とした大場所と、河川や池などの小場所によって2パターンのやり方があります。
広い場所では、バイブレーションやワームなどを使って広くアピールし、向こうから気付いてもらう戦略。狭い場所では、ストラクチャー付近などにねちねちルアーを通してリアクションバイトを誘うやり方が中心になります。
ストラクチャー狙いはキャスト力やルアー操作力が大事になってきます。明るくて釣れない時間帯などを活用して練習するとよいですよ。
どちらもやり方が正反対に異なりますが、黒やクリアなどのナチュラルなカラーを使用し、アピール力のあるルアーでジャーキングや早巻きなどを使ってリアクションバイトを誘うという点は共通しています。
ねらい目は、濁り・ボトム・ヘチ・潮目など
デイゲームは、視界がよく開けているので、警戒されないようできれば雨の後や赤潮など濁りの出ている日がベターです。台風のような大雨の後や青潮の後などは逆効果ですのでご注意ください。
また、ナイトゲームよりもボトムの方に潜る傾向があるため、鉄板バイブやスピンテールジグのようなボトムを探るのに適したルアーを用意しておきましょう。ただし、表層を泳ぐ傾向のあるイワシやコノシロが群れでやってきている場合などは表層巻きやポッパーなどでも釣れますので、あらゆるレンジに対応できるようにはしておきたいです。
デイでは岸際、いわゆる「ヘチ」も大きな変化のあるストラクチャーになります。盲点ですが足元にいるのです。

海釣り公園などで人がいない、もしくは沖堤防など広い場所では足元をテクトロやワインドなどで誘ってみると思わぬ釣果をあげることができます。特に夏場などは本当に釣れますので試してみてください。
これだけは欲しい!デイゲームルアー6選
VJ-16
デイゲームに外せない超ド定番ルアーがVJ-16です。正直これは、絶対に用意しておいてほしいルアーです。
VJは、ジグヘッドにワームをつけたものですが、メーカーのコアマン的にはバイブレーションに分類されるそうです。バイブのようにアピール力がある一方、ワームなのでスレにくいというのが大きな特徴。

「絶対に釣れるルアーはない」と誰しもが言葉を揃えて言いますが、そう言う人も必ず持っているルアーがVJです。最近では品薄でどこにも売っていないというくらい有名。
かくいう私も人生初のシーバスはVJ-16を使ってのデイゲームでした。イワシパターンの時などは入れ食い状態で釣ることも可能です。
人生初のシーバス!3バラシを乗り越え、ついに! #若洲海浜公園 #コアマン pic.twitter.com/wABdsv3RI3
— 釣りをするすずき (@fishandugio) July 9, 2019
使い方
基本は着水したらただ巻きです。デイゲームなので1秒にリールのハンドル2~3回転ほど。投げるたびに着水後2~3秒ずつカウントを取って、徐々にボトムに落としてあらゆるレンジを探っていきましょう。
青物を狙うようにジャーキングすることも有効ですが、VJはリーリングと言って、ワームがフックに絡まってしまいやすいルアーなので、初心者はあまりやらない方がよいと思います。
注意点
VJは取り扱いには注意してください。誤ってジグヘッドを地面などの硬いところに強打してしまうと、重心の位置が変わってシーバスを引き付ける絶妙な泳ぎをしてくれなくなります。
また、ワームを差し替える際、まっすぐつけないと泳ぎが変になります。まっすぐ刺すのは結構大変なので刺したら水中での泳ぎを必ずチェックしましょう。
このように、セッティングや取り扱いについては留意が必要なため、やや初心者には不向きかもしれないと思いつつ、それを補って余りあるほどの釣れるルアー(かつ、複雑な操作を必要としない)ということで1番目にあげました。
ちなみに、品切れが頻発しており、買えないという方も多くおられます。そんな方は是非VJの代わりとなるルアーについての記事を書きましたので参考にしてください。
IP-26
メタル(鉄板)バイブレーションはデイゲーム第1投目のルアーとしてド定番ですが、中でもコアマン(VJと同じ!)のIP-26は初心者向け鉄板バイブとしておすすめできます。
強めの波動(ウォブリング)で遠くのシーバスを寄せる鉄板バイブですが、IP-26は波動がそこまで派手ではなく、使用場面を限定しません。河川や沖堤防などの大場所含めて広く使用できるため、初心者が使用するルアーとしてはピッタリです。
使い方
鉄板バイブはよく飛びます。なので、河口や沖堤防などの広い場所で、飛距離を稼ぎたいときに使います。また重いため、深い場所、効率よくボトムを探りたい場所などで使うとよいでしょう。
基本はボトムに着底させてただ巻き、その後、カウントをしてレンジを変えていくといった方法が有効です。夏や秋などの好活性のときで、ベイトフィッシュがたくさんいるときなどは、目立たせるためにジャーキングをするとヒットする確率が高まります。やり過ぎは禁物ですが、タダ巻きで変化がない場合に試してみてください。
注意点
よく釣れるIPですが、鉄板バイブなので使いすぎると魚もスレて、口を使わなくなります。30分くらい投げてみても反応が見られない場合はもっとナチュラル系のカラーに変えたり、VJなど他のスレにくいルアーに変えてみましょう。
また、IPに限らず、鉄板バイブはぶつけると曲がってしまいます。プラスチックルアーのように破損すればすぐに気づきますが、曲がっているのに気づかずに投げ続けても変な遊泳姿勢となり釣れませんので定期的なチェックが必要です。
キックビート
樹脂製のバイブレーションはどれも釣れますし、使いやすいのですが、中でもキックビートは初心者にとって投げやすく釣りやすいよいルアーではないかと思います。

ルアーは水平姿勢に近い方が釣れますが、アピール力を高めるためには水平姿勢を崩す必要があります。このように、この二つは両立しづらいので、バイブレーションはよく「水平か、アピールか」となりやすいのですが、キックビートはほかのバイブレーションより縦に長いフォルムをして、これが水を受けることで振動するので水平姿勢に近いのにしっかりとアピールもしてくれるルアーです。
水中の流れの影響を受けやすく、流れのヨレなど不安定な場所を通すと姿勢が崩れやすく、それがシーバスの食い気を誘います。

使い方
バイブレーションの使い方と基本は同じで、ボトムに沈めてただ巻き→レンジを変えてやってみるの繰り返しです。樹脂製なので飛距離は鉄板に劣ります。そのため、沖堤防などよりは河口付近や小場所などで使う印象。
私は縦のフィンを活かして、潮目や流れのヨレがよくあるようなところでよく使います。
ちなみに、結構ゆっくり引くこともできるために、ナイトゲームにも使いやすいルアーです。
セットアッパー
ロングビルというながーいリップがついています。「こんなの釣れるの??」って思うんですが、釣れるんですよね。ロングビルのおかげでかなり深く潜ってくれます。ルアーって、表層やボトムを探るものは多く発売されていますが、セットアッパーが探ってくれる中層付近を探るルアーがないために、ボトムや表層では食ってこなかったシーバスを狙うことができます。
バイブレーションもレンジ調節で中層を狙えますが、トレースコース(ルアーの泳ぐコース)がどうしても斜め上になってしまう一方で、セットアッパーは平行に狙えます。これがバイブレーションとの大きな違いでもあります。

しかも、こんな形してかなり飛びますし、開発者の小沼正弥さんいわく、青物がよく釣れるということで、青物狙いのデイゲームなどでも使える優秀ルアーです。
使い方
基本は着水後ただ巻きするだけで、箱記載の既定のレンジまで潜ってくれます。
シンキングタイプなので、深い場所などではバイブレーションのようにカウントすると既定のレンジよりも深い場所を探れます。ナイトゲームにもおすすめです。

注意点
セットアッパーには『ウエイト保持機構HGS』という、着水後、お尻の方に移動してしまったオモリを前に戻し、重心を前に持ってくる仕掛けがあるのですが、これがザル(公式によれば「あえてルーズに設定している」そう)なんです。
お尻にオモリがあることでよく飛びますが、着水後戻さないと本来の泳ぎをしてくれませんので、他の移動重心ルアーのように、着水後ラインを張り、プルンと軽くしゃくりを入れる必要があります。

これが初心者には意外と知られていない不安材料。しかし中層レンジを探りやすいルアーは数少ないため候補としました。
サイレントアサシン
シマノから出ているサイレントアサシンは、使いやすくよく釣れるという点で大変有名なルアーです。初めてでも次に紹介するスイッチヒッターとともに、名前くらいは聞いたことある人もいるかもしれません。
サイレントアサシンは標準的なフォルムをしたミノーですが、水中での遊泳バランスもよく、「迷ったら使ってみて」と言えるルアーです。これまでご紹介したVJのように、いつでも必ず釣れるんですよ!!とは言い切れないですが、ミノーの中ではかなり優秀なルアーだと思います。
アサシンに限らない話ですが、シマノのミノーにはAR-Cという重心移動システムが搭載されています。これはセットアッパーのウエイト保持機構とは雲泥の差で、どんな場合でも機能してくれます。着水後軽くしゃくる必要もないので初心者が使いやすい移動重心型のミノーです。
使い方
ミノーはアピール力が低く、見切られやすいルアーです。ですから、河川などの小場所で、狙ったストラクチャーや橋脚などを通す際に使ってください。デイゲームですので、濁りが出ているとより◎です。
見切られないように、デイで使う場合はなるべく黒や青などのナチュラルカラーを選びましょう。フローティング、サスペンド、シンキング、と三つのタイプがありますが、サスペンドは塩分濃度で浮くエリアが変わってわかりにくいので、基本はフローティングとシンキングを使います。
ばしゃっとボイルがあるとき、浅くて根掛かりしやすいときなどはフローティングを使用し、沈めて中層などを探りたいときなどはシンキングを選ぶとよいでしょう。
注意点
河川などの小場所で使う必要のあるルアーを選ばなければならないので今回ピックアップしましたけど、正直デイゲームで初心者がミノーで釣果をあげるのは結構難しいのではと思います。どういうところにシーバスがいるのかとか、イメージがつかめていないからです。
加えてミノーはフローティング、サスペンド、それからサイズやカラーと言ったことを含めるとあらゆるタイプが存在し、その場に適応するルアーをチョイスするのが(デイでは特に)難しいと思います。
なので、まずはVJやバイブレーションなどで探りを入れて、どんなところに潜んでいるのかなどを確かめてみてからミノーにも挑戦すればよいと思います。ミノーの中ではサイレントアサシンは抜群に優秀なルアーであることは間違いありませんから。
スイッチヒッター
シンキングペンシルという種類のルアーはよく釣れるといわれますが、その中でも初心者が扱いやすく、釣れるルアーがスイッチヒッターです。

シンキングペンシルとは、その名の通り巻かないと沈んでいく鉛筆のような棒ルアーです。人間の目からするとシンプルすぎて「本当にこんなんで釣れるの?」と思わせるフォルムですが、魚にとってはかなりナチュラルに見えて、スレたシーバスも口を使います。
ただ、シンペンは水受けとなるリップなどがない分、「巻いてる感じがわからない」とされ、扱いが難しいです。その中でもスイッチヒッターは比重が高く、巻き感を感じやすいルアー。軽くキャストしてもかなり遠くまで飛んでくれるので、キャスティングに慣れていない初心者におすすめできるルアーです。

使い方
サイレントアサシンと同じで、小場所で狙ったストラクチャーや流れのヨレに通します。水の濁りがあったほうがよいというのも同じ。ただ、アピール力はミノーより劣るので、ミノーで食わなかったストラクチャーに使ってみるとよい成果を生むかもしれません。
注意点
スイッチヒッターは「浮き上がりが強い」と言いますので、速く巻きすぎるとすぐに水面に浮いてきてしまいます。使用の際は、足元の泳ぐ姿勢などを確認しつつ、巻き速度を調整しましょう。
一方、比重が高いので、沈むのも早いです。浮き上がりが強いことを利用すれば浅い水深のエリアでも使えると開発者は言いますが、どのくらいの速度で巻けばしっかりと泳いでくれるのかという感覚をつかめていないうちは根掛かりの原因となりますので、慣れるまでは水深のあるエリアで練習することをおすすめします。
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カラーについて
デイゲームであるため、カラーは黒や青、クリアーなど、地味でナチュラルな色を中心に揃えましょう。クリアーなど無難な色であれば1色持っているだけで十分です。
ただ、台風などで増水した後の濁りにはチャート(蛍光色)、東京湾奥の赤潮の出ている海ではグリーンがおすすめ。
>>>>赤潮の時の釣果を変えるグリーンカラーの魅力についてはコチラ
クリアーやブラックに加え、VJやメタルバイブなどの望みが最も高いルアーに関してはグリーンとチャートなど、別の色展開も少し用意しておく…と言った戦略がお財布にも優しいかもしれません。
いずれはオリジナルチョイスで
今回個人的に非常によく釣れるとされるデイゲームルアーを5つ挙げさせていただきました。
どれも大きな特徴は「アピール力がある」という点。夜は遅い巻き速度でとにかくナチュラルさを追求しますが、デイゲームはバイブレーションなど、遠くからでも気づいてくれるようなハイアピールのルアーを選ぶことが多いです。
それでもアピール力が強すぎるとスレて食いつかなくなりますのでその際はスレに強いVJやシリテンバイブなどを使ってみてください。
いずれはオリジナルチョイスでルアーを選んでみてください。