シーバス釣りは人気の釣り種。ロッドも大量に製造されています。だから釣具屋に行っても「どのシーバスロッドを選んでよいかわからない!」と困る方も多いはず。
私も釣り初心者だったころは本当に悩まされました。そもそも表記が難しくて、シーバスロッドの何を基準に選べばよいかもわからなかったのです。
そこで、本記事では、初心者でも簡単にわかるシーバスロッドの選び方を解説します。
釣具屋で迷うことがなくなるよう、ロッドの簡単な選び方の視点から、初心者の方が迷わないよう、行く釣り場別に選ぶべきロッドの種類などを解説します。
加えて、初心者でも扱いやすく釣りやすい、おすすめのメーカー・シーバスロッドを6点紹介します。
シーバスロッド選びの3つのポイント
シーバスロッドは以下の3つのポイントが選ぶ基準です。こだわりのある上級者はもっと考えることがありますが、初心者はこの3点を意識すれば十分です。
- 長さ
- 硬さ
- 軽さと値段
シーバスロッドの長さ
シーバスロッドは7フィートから11フィートくらいまでの長さがあります。
初心者は中間の8~9フィートにするのがベストです。
長いロッドには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- ■ルアーを遠くに飛ばせるメリット
- →ルアーの泳ぐ時間が増え、釣れる確率が上がる
- ■扱いづらいデメリット
- →細かなルアー操作がしづらい
→穂先の破損やライントラブルのもとになる
特に初心者は釣り方よりもロッドの扱いに慣れていないことから起こるトラブルに多くの時間が割かれます。
例えば手元のルアー取り付けに集中してたらロッドの先端が壁や地面に向いていることに気づかず、振り回して衝突させてしまう…などです。
そうしたトラブルを少しでも減らすには短めの扱いやすいロッドにしたほうがよいでしょう。
以上のことから、特に行きたい釣り場が決まっていないのなら中間位の8.6ft~9ftのロッドを選びましょう。
シーバスロッドの硬さ
ロッドの硬さはULからHまであります。初心者の場合、MLやMくらいをおすすめします。
柔らかいロッドは小さくて軽いルアーに繊細な動きをさせることができます。冬や春先のデイゲームではとても有利です。一方で柔らかいロッドは重いルアーをつけられないため、重いルアーをよくつけるデイゲームなどでの自由度が下がります。
逆に硬いロッドはバラシ(逃げられること)のリスクがあります。ロッドが硬いとシーバスがかかったときの振動をロッドが吸収してくれず、フックアウトするリスクがあるからです。
MかMLなら、シーバスルアーのほとんどをつけられますし、程よくしなります。釣具屋さんにおすすめを聞いても多くの店員さんが「初心者はMかML」をおすすめします。
シーバスロッドの値段(軽さ)
シーバスロッドの値段の安さ、高さではいったい何が違うのか、誤解を恐れずに言うと以下の図のようになります。
他にも高くなる要素はありますが、初心者が重要視すべきは軽さです
シーバスロッドにいくらかけるかは自身の予算次第ですが、安すぎると重いロッドが多くなります。これは、ルアーを投げ続ける必要があるシーバス釣りではとても疲れるでしょう。
安すぎるロッドではガイドが破損したり折れやすかったりするリスクもあるので、最低限5000円以上するモデルをおすすめします。
シーバスロッドの表記
最後に、複雑怪奇なシーバスロッドの表記について解説します。
メーカーによって若干違う表記もありますが、MLや86(8.6ft)等の表記は同じです、ロッド選びの参考にしてください。
表記の最後の「S」はスピニングリールが取り付けられるとの意味。メーカーによっては冒頭につく場合もあります。「B」の場合はベイトリールです。初心者は操作が簡単なスピニングがおすすめです。
釣り場面別に最適なシーバスロッド
シーバスロッドは、どのような場所(フィールド)で釣るかで選ぶ釣り竿が変わります。
以下の代表的な釣り場別にどのような釣り竿が良いか、簡単に解説します。
河川でのシーバスロッド
河川は狭く、橋脚などのシーバスの潜むストラクチャーが多いことが特徴です。
そのため、大遠投より橋脚際などにルアーを投げやすいことが重要。短めの8.6フィート位のロッドがよいです。
硬さもML程度で十分です。河川は護岸されているところが多く、障害物に逃げ込まれラインを切られてしまうリスクは低いです。そのため、取り込むスピードより丁寧にやり取りしてバラシを減らせる柔らかめのロッドが良いでしょう。
河川でのシーバスロッドは86ML
海釣り公園でのシーバスロッド
海釣り公園などの広いところでは、遠投ができる長めのロッド推奨です。とはいえ、周囲に人が多いこともあるので、初心者のうちは扱いやすくもある8.6フィートや9フィートがよいでしょう。
広いところはアピール力の高いバイブレーションなどを投げることが多いです。その場合、重さのあるルアーも多いため、MLよりはM推奨です。
海釣り公園でのシーバスロッドは86Mや90M
沖堤防でのシーバスロッド
沖堤防など広大かつ人が少ないところでは、とにかくロッドを大きく振って飛距離を出すことが重要です。
投げるルアーもメタルジグやメタルバイブなど、重いものが多くなります。シーバスロッドの硬さはMなど若干硬めにし、長さも9フィートや10フィートのものが選択肢になります。
沖堤防ではシーバスロッドは90Mや100M
サーフでのシーバスロッド
サーフ(砂浜)では、沖堤防以上に遠投できる10フィートや11フィートのロッドが良いです。
二つは広いのは同じですが、沖堤防と違いサーフは手前側が大変浅く、シーバスのいない空間が広がっています。そのため、より遠投する必要があるのです。
サーフは障害物などがなく糸が傷つくような岩礁帯にシーバスが入ってしまう心配はありません。そのため、大きな魚とのやり取りに有利な硬いロッドは必要ありません。
サーフでのシーバスロッドは100Mや11M
磯でのシーバスロッド
磯では大きな魚がかかることに加え、「手前の根(岩)を避けてルアーを通す、足元の岩を避けてシーバスを取り込むこともするため、10フィート以上のかなり長いロッドが必要です。
ロッドの硬さも、かなり硬めのMHやHが望ましいです。ヒットしたシーバスが岩礁帯に入られないよう強引なやり取りが必要だからです。
磯でのシーバスロッドは100MHや11MH
※ただし、慣れるまでは磯の釣行は避ける。
行くフィールドが決まっていない場合
まだ、「行く」もしくは「行きたい」フィールドが決まっていない場合、周囲を見渡し、行きやすい釣り場を確認しましょう。その行きやすい釣り場の基準で選ぶとよいでしょう。
後述しますが、よくわからない場合は86MLロッドにしておけばとりあえず「大外れ」はありません。
シーバスロッドメーカー別のおすすめ
シーバスロッドを選ぶ際の特徴のほかに、どのメーカーにするかも大事ですよね。
バスケではナイキやAND1、サッカーならヒュンメルやアンダーアーマー、野球ならミズノやアディダスといったように、釣りにも有名メーカーが存在します。
その中で、初心者向けのシーバスロッドを製造している4つの有名メーカーを紹介します。
- メジャークラフト
- ダイワ
- シマノ
- アブガルシア
メジャークラフト
メジャークラフトは、徹底的な人件費の削減、ベトナム工場など海外生産に特化するなど数々のコストカットを行っています。これにより低価格帯ながら高品質な釣り具をいくつも出している有名メーカーです。
シーバスロッドも5000円前後の安価ながら本格的なキャスト・ルアー操作ができる製品を実現しています。コンセプト的に高めの高機能ロッドは製造していないのが唯一の難点です。
シーバス釣りに興味があってやってみたいけど、まだ本格的にやるかどうかは迷っているという方におすすめのメーカーです。
メジャークラフトのおすすめシーバスロッド
ダイワ
日本の二大釣り具メーカーと言えばダイワとシマノ。この二社は低価格帯から高価格帯まで優れた釣り具を多く製造しています。
特にダイワ(正式にはグローブライド社が提供するブランドがダイワ)は機能性はもちろん、ロゴを有名デザイナーに依頼していたり、独自のファッションブランドに力を入れるなど、デザイン性にも手を抜かないメーカーです。
本格的にシーバス釣りを検討したい!と思っている方におすすめです。
ダイワのおすすめシーバスロッド
以前は私もダイワ信者でした(現在はシマノに浮気中)。初心者おすすめのダイワのロッドをご紹介します。
1万円以内の予算ならリバティクラブがおすすめ。でも、もう少し出せる、もう少し本格的・・・例えば『Kガイドという「糸がらみしにくいガイド」搭載のものが良い』という場合はシーバスハンターXもなかなかによい竿です。
シマノ
シマノは今ではダイワと同じ釣り具二大メーカーの一つです。自転車のベアリングで有名なメーカーなので同じ機構を転用したリールの開発で有名ですが、ロッドも優れたものが多く、多くの釣り人がシマノのロッドを使用しています。
かくいう私も、手持ちの三本のシーバスロッドとジギングロッドは全てシマノメーカーです。手に取ったときのしっくり感、扱いやすさ、丈夫さなどがお気に入りポイントです。
特に丈夫さはロッドの扱いに慣れていない初心者にはよいかもしれません。
(個人の感想です)
こちらもダイワと同じく、本格的にシーバス釣りを検討したい!と思っている方におすすめです。
シマノのおすすめシーバスロッド
ルアーマチックは最初に購入するロッドとして超がつくほど有名なロッド。シマノの大量生産技術と徹底的な生産管理によって、低価格ながら高品質なロッドになっています。
もうシーバス釣りを深めていきたい!と考えている方は是非ディアルーナをおすすめしたいです。現在でも私がメインで使っているロッド。軽くて扱いやすく、本当に良いロッドです。
アブガルシア
スウェーデンの釣り具メーカーと、これまでのご紹介した釣り具メーカーとは少し違うのがアブガルシアです。スウェーデン御用達の釣り具を作っていたこともある格調高いメーカーです。
とはいえ、総合釣り具メーカーとして多くの釣り具を製造しており、規模はシマノ・ダイワに負けず劣らずです。コスパもよく、初心者向けロッドも多く製造しています。
二大メーカーではないちょっと個性的なロッドが良いという方にアブガルシアはおすすめです。
アブガルシアのおすすめシーバスロッド
アブガルシアは海用釣り竿のブランドとして「ソルティスタイル」というものを作っています。その中の変わり種「カラーズ」はロッドを5本継にして持ち運びしやすくなっています。全長55㎝前後まで短くなるのはほかのメーカーにはありません。
仕事の終わりにカバンに忍ばせて・・・という使い方もできるのが超魅力的です。ただ、五本継になるとどうしてもロッドを硬く作らなくてはならないので始めはMLなどで慣れてからしたいという方は他のロッドも一本買ったほうが良いでしょう。
まとめ:ロッドで「大外れ」はあまりない
シーバスロッドについていろいろと解説しましたが、やっぱりちょっと複雑かな?と思いましたか?
仕方がないと思います。長さもフィート表記だし、MLだのHだの知らない表記やブランクスと言った知らない言葉も多く出てきます。そんな方には前半でお伝えした以下の点だけ覚えておけば大丈夫です。
初心者は86ML~90Mくらいのシーバスロッド
万が一ロッド選びを間違えても、ポイントやルアー選びのミスと違って「シーバスが全く釣れなくなる」ということはありえません。
ロッド選びではいろんな難しいことを言われますが、最初は触ってみて「軽い!」と感動したり「デザインがかっこいい!」と興奮したり、そういう感覚で買ってしまいましょう。
まずは気に入ったロッドを手に入れて「釣りに行きたい!」というモチベーションを高めることが大事なのですから。