神奈川県の三浦半島の先端に車で行ける離島が城ヶ島。釣りのできるスペースは県内最大級。岸壁釣りからウキフカセなどエサ釣りで来る人が多いですが、ルアーを広々とできる場所でもあります。
広いがゆえにポイントも絞りづらく、釣り禁止の場所もあります。そんな城ヶ島の詳細と釣りをする際のポイントをお伝えします。
なお、実際に城ヶ島に行った時のレポートを記事にしています。そちらも併せてご覧ください!
城ヶ島の概要・アクセス
城ヶ島は三浦半島南の最も端にある島。観光地としても有名で、磯から見える雄大な景色やマグロ丼などの海鮮グルメ、そして島中にいる野良猫などが人気。
島とは言え、半島と島を架ける城ヶ島大橋を使えば車や徒歩で渡ることができます。車では三浦縦貫道路を降りて15分ほど。公共交通機関では京急三崎口駅からバスで30分ほど。
城ヶ島の駐車場
県営駐車場6つ+民営1つ
城ヶ島には県営の駐車場が計6つあり、それぞれ収容数は多いです。さらに2020年末にタイムスの駐車場が新設されました。
新設された駐車場へは城ヶ島に入って一本道を行き、突き当りの第1駐車場の右側です。簡単に行けますよ。

このように広大なので、どこにも停められない事態は起きにくいでしょう。
駐車場は行き来可能なワンデーパスもある
城ヶ島の県営駐車場はワンデーパスというものが存在し、駐車場の最大料金(450円)を支払うと、島内6つの県営駐車場すべて出入り自由になります。
発行には、城ヶ島公園駐車場であれば係員の方に声掛けをすればOK。
第1~4駐車場であれば、駐車場を出る際、発券機に駐車券を入れた後ワンデーパスのボタンを押し料金を支払うだけです。駐車券を入れた後料金を入れてしまうとワンデーパスの発券ができないのでご注意ください。
ルアー釣りの場合、島の反対側にラン&ガン…ということもあると思いますので、これはうれしいですね。
城ヶ島のトイレ・水場
城ヶ島は観光地としても整備されているため、各所にトイレがあります。
具体的には県営駐車場と城ヶ島公園内に設置されています。磯の先端からですとかなり歩きますが、車を停めてから釣り前に行く…という事はかなりしやすいです。

足や釣り具を洗えるような水場はありません。また、自販機は島中にありますが、コンビニはありません。ゴミ箱もないため、自販機で買った商品は自分で持って帰る必要があります。間違ってもポイ捨てなどはしないようにしましょう!
城ヶ島の釣り場
城ヶ島は広いため、①~⑤の5つの釣りエリアに分けてご紹介します。

上記マップの通り、城ヶ島大橋から降りてすぐに左側の磯は釣り禁止、というよりも一般人の立入自体が禁止されていますのでご注意ください。
①岸壁サイド
城ヶ島の岸壁サイドは三浦半島に面しているため、非常に安定しています。足場もしっかりして広いため、ファミリーフィッシングに最適。
昼間はサビキ釣りでイワシなどの釣果。ルアーを使ったフィッシュイーターの釣果は正直かなり厳しく、夜か磯に回った方が良いです。

しかし、最近は漁協の方針か、釣りのできるスペースが狭くなっています。狭いため、ほとんど入れない、もしくは船が邪魔で釣り出来ない場合がほとんどです。
また、岸壁の両サイド側は釣り禁止になり若干狭くなっています。現場の表示を見て、立ち入り禁止の場所には入らないようにし、船が近づいたら素早く竿を上げるなど、迷惑にならないようご注意ください。
②城ヶ島公園(安房崎)サイド
地図の南西(右下)にある城ヶ島公園から磯におりていきます。駐車場は城ヶ島公園駐車場を利用しましょう。公園内の観光客に注意。
後述しますが、地図的には広いように見えて、釣れるスペースは限られています。そのため早めに来たいところですが、城ヶ島公園自体の営業時間が8:00~なのでご注意を。


安房崎の南側は、磯から海面までが結構高いです。だからと言って下に降りすぎると波をかぶり危険。離れ根がおおく、広く見えて意外とポイントは選びます。ポイントとしては最高峰ですが、かなり玄人向けの釣り場。ライフジャケットとスパイクシューズは必須です。

一方、安房崎の東側は南に比べれば落ち着いていることが多いです(あくまでも「程度」であって、季節や天候により異なります)。
海面までの距離も近いため、上級者でない限りはこちらに来た方が良いでしょう。ただ、スペースは南より狭いため、場所取りの難易度は高いです。
ルアーではシーバスや青物が狙えるため、大き目のフローティング系のミノーやメタルジグ、ワームなどを持っていきましょう。離れ根や隠れ根(海面のすぐ下に岩がある場所)なども多いため、根掛かりに注意です。
③馬の背洞門~ヒナダン~長津呂
城ヶ島の南~南西にかけての磯です。ここは第1・2駐車場から城ヶ島の商店街を通ることで来ることができます。
馬の背洞門は地図で見ると近そうですが、実は離れ根が多く、磯が途切れていたり、水深が浅かったりと入りづらい・釣りづらいところが多いです。
おすすめはヒナダンと呼ばれる馬の背洞門よりも南西(地図の真ん中、下記画像の左(スマホの場合1枚目))。広くて入りやすい上に、障害物も少ないです。


長津呂(ながとろ:画像2枚目)も写真で見るとよさそうですが、船越英一郎もびっくりの崖になっています。そういうところから竿を出している人もいますが、万が一50オーバーの魚が釣れたらどうします…?
しっかりと安全にランディングできる場所を探すために、ヒナダンをメインポイントに、長津呂や馬の背をランガンしてみる作戦がよいかもしれません。
ちなみにウキフカセ師が最も多いのがこの辺のポイント。40cm近いメジナの釣果などが見られます。
④城ヶ島灯台前(旧京急ホテル前)
城ヶ島の東には城ヶ島灯台があります。波が高いことがあるため要注意。
ただ、駐車場から近くアクセスがしやすいのと、入りやすい磯が広がっているため、挑戦したい方にはオススメ。
東映かな。笑 #城ヶ島 pic.twitter.com/I3jMeWMiU6
— すずき(鈴木・鱸) (@fishandugio) September 4, 2020
波の高さが0.5m以下の場合はここまでならないので安心してください。荒れてサラシが広がる日はシーバスが跳ねています。
安定的にウキフカセ釣りができるほか、割と開けているのでカゴ釣りもできそうです(見たことはないですが)。
⑤灘ヶ崎
灘ケ先は、岸壁サイドからすぐの磯。第1駐車場からすぐ近く。そして、内側で比較的凪いでいることのほうが多いため、初心者向きです。ただ、磯は磯。装備はしっかり揃えておくことをおすすめします。

内側で凪いでいるため釣果は期待できなそうですが、私はここでカマス、イナダ、そしてシイラの釣果を上げています。島内で最も落ち着いた場所であるため、ベイトフィッシュがよく入るのでしょう。それを追ってフィッシュイーターも入ってくる模様です。
ここはウキフカセでは逆にあまりよいポイントではなく、釣れても小さなベラやハゼが多いです。
城ヶ島の釣りのポイント
城ヶ島で釣れる魚
城ヶ島は天然の地磯が特徴。磯にいるメジナやクロダイといった魚がターゲットになります。そのため、ここに来る方のほとんどウキフカセ釣りです。実際バッカンに撒き餌をしこたまこさえたフカセ師がたくさん訪れます。
ルアーのメインターゲットはヒラスズキとイナダです。シーズンやポイントによってはカマスやシイラの釣果も見られます。

エサ釣りのポイント
磯が広大に広がっている城ヶ島ではウキフカセ釣りでメジナやクロダイを狙っている人が多いです。見通しのない所では遠投するカゴ釣りもできます。磯では波が高く、根掛かりの心配もあるためサビキ釣りは少々厳しいです。
岸壁サイドではサビキ釣りをメインにできます。水がきれいで魚もスレているため、安いサビキ針よりはトリックサビキなど、食いのよいものを使用することをおすすめします。
ルアーのポイント
ポイントはデイゲームでは磯一択。磯は、遠投ができる遮蔽物のないところで、人が入れるところとなると自ずと場所は限られてきますのでポイント探しが重要です。
岸壁での釣果は見込めませんが、マズメに稀にフィッシュイーターが小魚を追って入ってきてナブラを作っていることがあります。使用ルアーは基本的に他と同じ。メタルバイブやメタルジグ、ワーム等で狙います。
ナイトゲームではシーバスが三浦半島側の凪いでいる岸壁によく回遊してくるそうです。夜の磯は大変危険なためナイトゲームでは岸壁サイドに絞りましょう。
使用ルアーはこちらも基本的には他と同じ。ただこのあたりはカタクチではなくマイワシの回遊もあり、ベイトフィッシュが大きめのため、サイズは15㎝など、大きめのサイズのルアーも見込めます。
城ヶ島の注意点
城ヶ島の天然磯に行く場合はライフジャケット必須です。磯に落水すれば、岩に擦れてライフジャケットが傷ついてしまうため、そうなっても浮力性能を保持する非膨張式のライフジャケットにしましょう。ライフジャケットの種類についてはこちら。
ライフジャケットについては、もっと詳しい記事を書いてあります。命にかかわることですので、ぜひお時間あるときにお読みください。
また、スパイクシューズを履き、そもそも落水しないようにすることも大事です。磯はゴツゴツしていますが、砂や藻が表面にある場合があり、たいていそれは目に見えません。険しいため、思わぬところでよろめいて、滑る岩に足をついてそのまま転倒…ということもありますので必ず用意しましょう。
オススメのスパイクシューズはこれ。安かったですが、とてもしっかりしていて安心でした。ただサイズが少し大きめなので、自分の普段の足のサイズー0.5cmでちょうどいいかもしれません。
加えて、釣行時はできるだけ複数人で行き、万が一があったときに助けを呼んでくれる人がいる方がよいです。
まとめ:磯チャレンジするにはうってつけ
とても仰々しく書きましたが、安全対策さえしっかりとれば、渡船や潮の干満を気にしたりする必要のない釣り場です。広くてポイントも探しやすく、南側で釣れる魚種の幅も広いため、初心者がチャレンジするにはうってつけの場所だと思います。
首都圏在住の方は、静岡伊豆の天然磯挑戦の前の練習などにいかがでしょう? 安全には注意を払い、城ヶ島釣行をお楽しみください。