ナイトゲームのリトリーブ速度というのは、デイゲーム以上に気を遣うところです。
使用するルアーやその場の状況に合わせてどのくらいの速度にすればよいのかは難しいところ。
ここでは、1秒にリールのハンドル何回転か、という意味で「○秒に○回転」という表記をさせていただきます。
なお、ナイトゲームの引き速度そのものについては下記記事をご覧ください。
ナイトゲームのリトリーブ速度の基本的な考え方
ナイトゲームでは「ゆっくり巻く」というのは当然です。その基準として「1秒間に1回転」というのは参考になります。ただ、ルアーの種類や状況を考えずに無条件に1秒間に1回転というのはおすすめできません。
ナイトゲームでは、「そのルアーの特性を生かせる最低速度」がベストな速度であると、この記事では定義します。デイゲームのように激しくブリブリ泳がせるのはもちろんダメですが、リップ付きやバイブレーションなのに、全く感触がない、というのもそのルアーがしっかりと泳いでいない証拠です。
それでは、ルアーごとに、適切な引き方がどの程度なのか、みていきましょう。
プラグ(ミノーなど)の場合
プラスチック製でできたリアルな魚の形をしているハードルアーのことをプラグと言います。ミノーやシンキングペンシルなどのことです。
ルアー本来の動きを出してくれる速度
プラグのナイトゲームでの引き速度は、何秒に何回転というよりも、糸に引っ張られたルアーが本来の動きを出してくれる速度が最適速度になります。
リップ付きの引き抵抗の強いルアーなら「ブリブリ」と振動(ウォブリング)を感じる速度。リップレスミノーやシンキングペンシルなど、抵抗の弱いルアーの場合は、巻いていてルアーの重みを感じる速度が最低速度です。
これより低いとフローティングルアーならただの浮いている棒。シンキングルアーなら沈んで根掛かりするでしょう。
わからない場合は、目をつむって手先に意識を集中してゆっくり引いてみるといいでしょう。とにかくこればかりは鍛錬第一です。
ルアーコントロールができていることが大事
ルアーの種類やパターン(バチパターンの「ノガレ」や「エリア10」など)によっては、ただ浮かしておくだけの戦略をとるときもあります。ただこれも、ラインを通じてルアーのコントロールが取れている前提です。
要はラインが出すぎて何巻きもしないとルアーの挙動を変えられない、という状態ではダメということです。
そうでないと、ラインが知らないうちに流れてどこかに絡まったり、シーバスがヒットしたときに合わせられなかったりします。
巻いていてとにかく「ルアーを感じる…」という感覚をつかむことが大事です
ルアーの能力を調べておく
肝心の巻き速度ですが、「ルアーを感じる…」となんとなくわかるくらいが最低速度で、かつナイトで最も良い速度であることが多いです。
厳密にはルアーの説明書きに書かれている潜行速度などを参考にしてください。例えばスイッチヒッターやシャロ―アサシンのように浮き上がりが強いルアーの場合は速巻きは不要です。
リールがローギアの場合、1回転で75cm~80cmほど巻き取れ、ハイギアの場合は90cm前後巻き取れます。こうした情報も参考に、水中のルアーの挙動を想像してみてください。
>>>>ローギアとかハイギアとかよくわからない!という方はこちら
ワームの場合
ワームの場合もプラグと考え方は同じ。ただ、こちらはブリブリとウォブリングすることはないので、「重さ」を感じましょう。
ナイトゲームでのワームの場合、適切な速度を取るとどうしても沈み込んでしまうため、表層を探る場合は不向きで、逆に中層やボトムを探りたい場合に有利です。
ワームは特性上、遅く巻くと沈み、速く巻くと浮き上がりますが、ナイトゲームの場合はどちらかというとリトリーブ速度は一定でジグヘッドの重さによってレンジを使い分けます。
例えば5~7gでは表層寄りの中層、10g前後は中層、15g前後はボトム、と言った形。
そのため、いくつかの重さのバリエーションを持っておく方がナイトゲームでは有利です。
バイブレーションの場合
まず、ナイトゲームでバイブレーションを使うことにびっくりする方もいるかもしれませんが、十分に釣ることができます。
>>>>ナイトゲームでのバイブレーションで爆釣させたときの記録はこちら
ナイトでの使い方・リトリーブ速度
バイブレーションを使うタイミングは中層~ボトムを狙いたいとき、活性が高めのとき、水が濁っていて振動でアピールしたいときに使います。流れが速く、プラグではすぐに流されてしまうときなども使用します。
バイブレーションの適性速度は「ギリギリ振動(ウォブリング)」を感じる速度。プラグと違ってドリフトなど「流す釣り」はできません。真冬の低活性時もあまり使いませんね。
ナイトゲームで使いやすいバイブレーション
ちなみに、おすすめはキックビート。ほかのバイブレーションに比べて横に対する表面積が大きく作られており、水流の影響を受けやすく、水流の変化でチドリアクションをして「食わせの間」を作りやすくなっています。
スローリトリーブでも十分なアクションが出せるところがこのルアーのウリになっており、まさにナイトゲームでも使いやすいバイブレーションとなっています。
メタルやスピンテールはあまり使わない
バイブレーションと言えば、ご紹介したキックビートのような樹脂製のものと、シリコン製のもの、そして鉄板製のメタルバイブがあります。
この中で、メタルバイブはまさに早巻きで強アピールをするデイゲーム専門ルアーといった様相。ゆっくり巻こうと思っても重いために必然的にナイトではシーバスが追えない速度になります。
そのため、ナイトではあまり使えないルアーと言えそうです。
同じようにスピンテールも重いため、マストなルアーではありません。初心者ではまず、プラグ、ワーム、バイブレーションの3本柱でまずは攻めるとよいでしょう。
ルアー以外にも釣り場の状況にも影響を受ける
ご紹介したのはナイトで主に使う3種類のルアーについてのリトリーブ速度(というかほぼ使い方)でした。
実は、このほかにも、釣り場の状況(流れや季節等)によってもリトリーブ速度は大きく影響を受けます。
デイゲーム以上にナイトゲームではリトリーブ速度が大事になってきますので是非そちらの方も考慮し、その場に合ったリトリーブ速度を導き出してください。