リールで迷うのがギア比ですね。
ローギアとハイギア、そして最近はエクストラハイギアというものも出ています。わかったような、わからなかったような状態の人も多いのではないでしょうか。
ローギアとハイギアの違い、そして、シーバス釣りにはどれが良いのか、ご紹介します。ちなみに最初に結論はをいうと、「最初はハイギア使っておけ!」です
ギア比とは?
リールのギア比とは、ハンドル1回転に対して、何mの糸を巻き取るかを指します。厳密な定義と細かい計算は以下の通り(無視しても大丈夫です)。
ギア比は正確にはハンドル1回転に対して、スプール(ローター)何回転かです。例えばギア比5(もしくは1:5ともいう)なら、ハンドル1回転でスプール5回転。
ではスプール5回転とは、何mの糸を巻くのよ…ということですが、スプールの直径が例えば4.7cmなら、スプール1回転の糸巻き量はスプールの円周と同じですね。つまり、4.7cm×円周率(3.14)(直径×円周率=円周)=14.758cm。ギア比は5なので、その5倍の73.79cm。
つまりギア比1:5でスプールの直径が4.7cmのリールはハンドル1回転で約74cm糸が巻けること示します。

それぞれのギア比の糸巻き量
ここからは、シーバスのリールでよく使う2500番から3000番でのギア比を使用します。
ギア | 糸巻き量(ハンドル1回転) |
---|---|
ローギア | 75cm~80cm |
ハイギア | 90cm前後 |
エクストラ(EX)ハイギア | 95cm~1m |
ローギアは「ロー」の文字の通り、糸巻き量が少なく、ルアーはゆっくりの挙動をします。逆にハイギアやEXハイギアは1m近く巻くものもあります。
ハイギアほど、1回で巻ける糸の量が多い!
それぞれのギア比のメリット・デメリット
ローギア | ハイギア | |
---|---|---|
メリット | 巻き感が軽い ナチュラルな動きを出しやすい | 手返しがよい 大きな魚とのやり取りが楽 |
デメリット | 手返しが悪い | 巻き感が重い ナチュラルな動きを出しにくい |
わかりやすく言うと、ハイギアは自転車で言うギア5や6の状態。ローギアは1か2です。ギアの数字が増えると、漕ぐのもきつくなりますよね? だから、ハイギアほど巻き感は重くなります。

しかし、ハイギアは速く糸が巻ける分、ミスキャストでの回収は早く済むため手返しがよいです。さらに、同じ理由で青物など100m超遠投する場合も断然ハイギアが有利。
ルアー釣りはルアーを遠投し、数時間巻きっぱなしですから、ローギアと比べ疲労感は全く異なり、楽です。
一方ローギアは巻き感が軽いので長時間の釣行や女性、子供が扱う場合などはハイギアと比べ楽。スローリトリーブが求められるナイトゲームや冬の釣りにも有利です。
シーバス釣りで最適なギア比
シーバス釣り、というか、釣り全般で今はハイギアが流行しています。理由は、ハイギアは、ローギアでできることはカバーできるけど、逆はないから、です。
つまり、ローギアで速く巻くのは大変だけど、遅く巻くのはハイギアでもできます。ローギアを買ってしまうとデイゲームや青物釣りで苦労しますが、ハイギアでナイトゲームをする場合、ローギアよりゆっくり巻けばよいだけです。

したがって、これからリールを一つ買う、となれば、ハイギアを買っておくことをおすすめします。
ナイトゲームなどでのスローリトリーブに難がありますが、ダブルハンドルにすると、こまめに回せてよりナチュラルな動きを出すこともしやすくなります。ハンドルはゴメクサスが有名ですね。
ナイトゲームや河川ではローギアも選択肢
ただ、ほぼナイトゲーム中心の方や河川など狭いところでより多く釣りをする場合は、ローギアのほうが釣果に結び付く可能性があります。
実は、ローギアの1秒間でハンドル1回転(秒速75cm)というのはシーバスが最も口を使いやすいルアーの速度と言われています。ハイギアやEXハイギアだと、これが0.8回転とか、0.5回転とかになってわかりづらくなってしまいます。

さらに、ハイギアでいくら遅く巻こうとしても、魚をばらしたり、時合が来ていたりすると気持ちが高まってついつい早く巻いてしまいがちになります。ローギアであれば、自然とシーバスにとって最適な速さで巻くことができます。
使い分けやアジングならローギアの選択肢も
例えば、遠投が必要ないアジングであれば、最初からローギアでもよいかもしれません。アジングは基本ナイトでふわっとしたプランクトンの動きを再現するため、あまり早く巻く必要がないからです。
また、シーバス釣りであっても、ナイトゲームで河川に行く際はローギアを持っていくなど、リールの使い分けをする人もいます。
ご自身の釣りスタイルや予算感に合わせ、そろえていくとよいでしょう。