ルアーの巻き速度(リトリーブ)に悩む人って多いですよね。この記事は、
そんな方のために書きました。
実はナイトゲームのリトリーブ速度って、とても奥が深く、単純に「○秒間にハンドル○回転」とは言えません。
一方、リトリーブ速度はナイトのシーバス釣りで最も大事な要素の1つ。私はナイトがとても苦手だったのですが、巻き速度を変えてから急に釣れるようになりました。
今回はこの、誤解だらけの「ナイトゲームでのリトリーブ速度」についてのお話です!
巻き速度はルアーの種類で変わる
「1秒間に1回転」ではいけない
ナイトゲームでのリトリーブ速度では「1秒間にリールのハンドル1回転くらいがよい(以下、○秒間に○回転と表記)」とか「ほぼルアーが停止するくらいの「デッドリトリーブ」がよい」などと言われています。
しかし、これは「ウソ」とまではいわないけれど、丸々信じてしまうのは危険です。
なぜなら、ルアーの巻き速度は使うルアーの種類と状況によって大きく異なるからです。ルアーや使用状況によって2秒に1回転のときもあれば、1秒に2回転のときもあります。
例えば「1秒間に1回転」ではバイブレーションはボトムずる引きになります。これでは絶対に釣れず、根掛かりして終わりでしょう。
>>>>ルアー別でわかるナイトゲームのリトリーブ速度の違いについてはこちら
この「1秒間に1回転」「デッドリトリーブ」説は、『ナイトゲームはそのくらいゆっくりを意識するべきである』とか、『ナイトゲームでのリトリーブ速度の基準速度がそのくらいである』くらいに思っておくのがよいです。
リトリーブ速度を変えたとたんに釣果アップ
実は私は1秒に1回転を信じて実行していましたが、全く釣れませんでした。あ、エイが釣れたことあります。でもスレ掛かり。笑
デイゲームであればVJ投げてレンジを探れば釣れる…そんな基本メソッドがありますが、夜はそれが通用せず、「夜行性」と言われるシーバスの釣りなのに、私はナイトゲームが苦手でした。
ところが、ある日、下流に流れたジグヘッドを回収中に橋の下でヒットし、見事シーバスをキャッチできました。回収したかったので結構速く巻いていたのに、です。(ちなみに3月のハクパターンです)
この時に「意外と速く巻いてもいいのかも」と感じたのがきっかけ。以後、ゆっくり巻く、という姿勢は堅持しつつ、ルアーのポテンシャルを最大限引き出せる速度を意識してやったところ、釣果はけた違いにあがりました。
多くの人は「速く巻きすぎる」と言われています。そのため、多くの人が「ナイトはゆっくり巻くべきだ」と言います。しかし、自分の巻き速度をその人が実際に見たわけでもないのに、一律に「ゆっくり巻け」というのはおかしくないですか???
そうです!
まずは、自分が本当に速く巻きすぎているのか、自分が普段どのくらいの速度で巻いているのか先入観抜きで振り返ることが大切です。
ナイトのリトリーブ速度で注意する2点
ルアーのポテンシャルを引き出せる、「最適な巻き速度」は、ルアーの種類によって変わりますが、ナイトゲームでは「ゆっくり」巻くという点は同じです。
そのため、「ルアーの最低速度」を知ったうえで、そこから徐々に速くしていく…という方法をとるとその日のベストなリトリーブ速度を知ることができます。
ルアーの最低速度を知るうえで重要なのは以下の2点です。
1点目 巻き感が伝わってくるか
まず、そのルアーの重さや巻き感が伝わってくるかどうか。例えばバイブレーションなら「ブルブル」といった振動感。振動感のないルアーならば「重み」などです。これが感じる点がそのルアーの最低速度になります。
これ以下だとフローティングルアーは「ただ浮いているだけ」。シンキングルアーやバイブレーションなどはボトムに落ちて根掛かりして終わるでしょう。
2点目 ルアーがコントロールできているか
二つ目はルアーを自分でコントロールできているかどうか。例えば、「ただ浮かせておくだけ」「ナチュラルドリフト」のときがありますが、それは単に放置していればよいということではありません。
竿先の感触からルアーがどこにあり、すぐに放置状態を解除できるようにしておかなければなりません。でないと、ヒットしたときに合わせられませんし、糸がどこかに流れてブレイクしてしまいます。
竿先に「ルアーの感触がある」という感覚をつかむことが大事です。
>>>>ルアー別でわかるナイトゲームのリトリーブ速度の違いについてはこちら
巻き速度は場所・状況で変わる
流れの速さでリトリーブ速度も変わる
繰り返すようですが、「1秒間に1回転」というのは基準としてはわかりやすいですが、よくない言い方だとつくづく思います。
リトリーブ速度なんてルアーの種類でもそうですが、その場の水の流れによっても変わります。
私が悪いサイクルに陥っていた原因もこれです。
例えば、上流側に投げるいわゆる「アップクロス」の場合、流れよりもルアーの速度が遅くなればルアーはただ流されるだけでコントロールを失います。この場合、流速によっては1秒に3回近く巻かないと根掛かりを起こすこともあります。
流れとの関係を見て、柔軟にリトリーブ速度を変化させていくことが大切です。
季節やパターンの影響も考慮する
夏のナイトゲームなどではむしろシーバスの活性が高く、速めに巻いても釣れることがあります。
一方で真冬の場合はデッドリトリーブ…ほぼルアーを停止させ、流れに身を任せるような速さのときが良い場合があります(その場合もルアーコントロールはとれる状態にします)。
夜だからと一律にめちゃくちゃ遅くするとか、ルアーコントロールができないくらいに浮かべているだけ…とすると、釣れるものも釣れなくなってしまいます。ちなみにハクパターンなどではダウンクロスに投げて速巻きするということもあります。
かならず季節要因やその場のパターンを見るようにしましょう。
最後は体感するしかない!
ここで述べたことができるようになる前提は、キャストしたルアーがどこを泳いでいるのかを把握する能力です。その能力のためには竿の感触を通じて流れの変化を感じ取れるようになる必要があります。
例えば、流れが緩くなるエリアにルアーが入ると引き感が若干重くなります。また、ルアーに左右どちらかに力が入る場合、なんとなく手元にもその感触が伝わります。こうした重さや力のベクトルの違いがわかるように、常に集中する必要があります。
そのためにも、初心者はラインは感度の良いPEライン。そして同じ理由でロッドはMLなどの柔らかめのものにすることをおすすめしますが、最終的にはこれらは理屈で教えられるものではなく、体感するしかありません。
コン、と重くなる間隔、そうしたものは実際の釣り場で一つひとつ感じ取って、体得しましょう。
とにかく通いこむことが大事です。リトリーブに悩んでいた方は本記事もご参考に、是非とも自分に適した巻き速度を発見してみてください!