「シーバスの最初の1匹が釣れない」
そんなとき、思うのは「本当にルアーで釣れるの?」ということ。
釣れないことで不安になるシーバス初心者の方は多いと思います。私もボウズが1年続いたときにそうでした。「なぜ私だけ…」と挫折しかけたことがあります。
でも、VJ-16というルアーにしたとたん、釣れた…! 苦しいシーバス釣行は一転してワクワクするものになりました。VJ-16こそ最も初心者向きルアーです。
もし知らないのであれば絶対に覚えて言ってほしいルアーの一つです。今回はシーバス釣り最終兵器ともいわれるVJ-16を紹介します。
VJ-16が「釣れない」日々を変えた
恥ずかしい話、私は最初、シーバスルアー釣りを初めて1年近く、ルアーで釣れたことがありませんでした。釣り場に行くだけで楽しかったので何度も足しげく釣り場に通いましたが、ただただルアーを投げては何も反応を得られず終わるだけの日々でした。
「才能がない」
「本当にルアーで釣れるのか」
「何が悪いのかわからない」
エサ釣りで小さな魚を釣ってお茶を濁しながら、そんな不安や不満に満ち溢れた日々を過ごしていました。
そんな釣り初心者に転機が訪れたのが、友人に「コアマンのVJというのが釣れるってネットで聞いた」と言われ買ったVJ-16でした。
このジグヘッドと呼ばれるフック付きのオモリに、ワームというシリコン製のプルプルをつけたのがVJ-16です。ワームと言うと通常シングルフックですが、トレブルフックが2つついています。
フックの機構、ラインアイの場所などが以下のバイブレーションに似ている(実際にそういう動きもする)ジグヘッドなので、VJ(バイブレーション ジグヘッド)と言います。
使用したのは若洲海浜公園。7月初旬の雨上がり。イワシが大量に接岸してきたタイミングでした。
6時について、一投してみるとガン!!とアタリ。それまでアタリすらなかったのでびっくり興奮。初めてのことだったのでバラしてしまいましたが、二投目でもガン!!!バラして三投目もガン!!!!!
うそでしょ~!?と、友人と目を丸くしていた思い出があります。
大量のバラシを乗り越えて釣れた1匹がこちら。
人生初のシーバス!3バラシを乗り越え、ついに! #若洲海浜公園 #コアマン pic.twitter.com/wABdsv3RI3
— 釣りするすずき (@fishandugio) July 9, 2019
このときは、VJの最も得意とするイワシパターンで、40cm前後のシーバスが大量に入ってきた運のいい日でもありました。しかし、他のルアーではここまでは釣れていなかったと思います。その後も何回もVJで釣果を上げ、VJは「ルアーで釣れない日々」を変えてくれました。
会社嫌なことばかりなので、蒸発(午後半休)して、真鶴の番場浦きました!ワラサを1キャッチ1バラシ!ピーカンベタ凪のクリアウォーター、またもやコアマンvj-16でした!さすが!デイゲームは #コアマン #vj16 #真鶴 いやー、 #ワラサ 初めて釣りました!この前のと比べると少し物足りないけど満足! pic.twitter.com/XI9wF9ZTJ5
— 釣りするすずき (@fishandugio) September 3, 2019
私の人生初シーバスはちょうど2年前の今頃の若洲。雨が降って水質が改善し、シコイワシを追ってきたシーバス が爆釣状態だったのですが、ほぼ同じ条件下の本日も7ヒット1キャッチ!!(そして6バラし…)やったね!
— 釣りするすずき (@fishandugio) July 3, 2021
感慨深い…
#若洲海浜公園 #コアマン #VJ https://t.co/6UAJbbUK2V pic.twitter.com/SD0coPo0Ii
VJ-16が釣れる理由
VJ-16が釣れる理由を解説します。ただ、どうして釣れるかは魚に聞いてみないと最終的にはわかりません。ここでは、多くの釣り人に支持されている意見をご紹介します。
マッチザベイトを徹底的に追求したフォルム
VJ-16はシーバスが捕食するベイトフィッシュの形を研究し、マッチザベイト(シーバスの捕食するベイトにマッチさせている)を徹底的に追求。特にカタクチイワシが入っているときはとてつもない威力を発揮します。
コアマン社長の泉氏も、イワシと似ている点をかなり強調されています。
先ほどの体験談の通り、イワシが回っているときなどは大爆釣間違いなしでしょう。もちろん、イナッコやコノシロなど別のベイトを食っているときも釣れます。
ワームが柔らかく、可動域も広い
他のメーカーのジグヘッドはVJと比べるとワームが硬いことが多く、ワームが取れてしまうことを気にしてか、ワームの可動域が短めになってしまっていることが多いです。
ワームは柔らかいほうが釣れると言われます。それに加えて可動域が広くとってあるおかげで、シリコンのナチュラルな感じが最大限発揮され、シーバスに「本物のベイト」だと思わせている可能性があります。
投げやすく、操作がしやすい
複雑な操作や投げる際の注意をしなくてよいのもVJ-16の良いところ。
例えば投げる際に難しいフォームが要求されるルアーがあったり、遊泳している層を思い浮かべる必要があったり、所定の場所でトゥイッチしなければ釣れないルアーも存在します。
しかし、VJの場合は通常の簡単なキャストで十分釣れるし、飛行姿勢が安定しやすくよく飛びます。アクションも不要で基本タダ巻きでよいです。
釣れるルアーだけど操作が間違っていて釣れない、キャスト時にトラブルが多くて手返しが悪くて釣れない、という釣り人起因の「釣れない理由」が排除されるのがVJの良い点です。
VJ-16の使い方
VJ-16ですが、これまで言った通り、使い方も簡単です。
VJ-16はタダ巻きで釣れる
VJはタダ巻きでも十分OKなルアーです。むしろ、タダ巻きがVJで一番釣れるアクションです。昼ならば1秒間にリールのハンドルを2~3回転、ただただ巻くだけでいいのです。
ただ、以下の点に気を付けると、より戦略的にシーバスを狙えます。
レンジに気を付けよう
VJは、ただ巻きするだけだと表層に近いレンジを泳ぎますが、着水後カウントをとれば、いろいろなレンジを探ることができます。
例えば、イワシが回っているときなどは表層タダ巻き、逆に表層で反応がないときはボトムまで落としてみる…などレンジだけ意識すると釣りの幅が広がります。
河川や小場所では16、広いところでは22や28
VJは、重さによって3つのシリーズが出ています。種類と使い分け方について紹介します。
まず、重いほど遠くに飛びますが、サイズが大きくなります。沖堤防などの広い場所ではVJ-28がおすすめ。また、シーバスが食べているベイトが大きめの時は28に近いルアーを使います。
また、VJ-28などの重いジグヘッドはよく飛ぶ分、沈みやすく、ゆっくりや繊細な動きをさせたい時に不向きです。
したがって、河川や小場所、ナイトゲームなど繊細な動きが要求される場所では22や28ではなく16の使用をおすすめします。
イワシパターンなら迷わず使う
VJ-16の特性を最大限生かせるのは、シーバスがイワシを捕食しているとき(イワシパターン)です。
冒頭で紹介した通り、カタクチイワシがマッチザベイトで、よく食います。イワシを食っているときは活性が高いことが多く、「入れ食い」の可能性も期待できます。
イワシを食べているかどうかは、当日水面にイワシがいるかをチェックするほか、近くの釣り場のサビキの釣果などを検索やTwitterなどで調べてみるのも一つの手です。
VJの気になる点
褒めたたえすぎたVJ-16ですが、少しだけ留意点もあります。
もちろん、釣れないこともある
SNSを見るとVJで釣っている人の数は圧倒的に多いです。一方でVJを投げても食わなかった…という書き込みもあります。
原因は、赤潮や青潮などでシーバスがそもそもいなかった、その時シーバスが捕食している餌のパターンに全く当てはまらなかったなどが考えられます。
バチやサヨリは細長いルアーじゃないと食いません。マイクロベイトはVJだと大きすぎて食いません。いずれもルアーの形が極端に異なるときで、冬~春にかけて食わなくなる傾向にあります。
ただ、イワシパターンやイナッコパターンなど、多くのシーズンで見られるパターンでは通用します。レンジも比較的自由に探りやすいので最初の1投目に投げるパイロットルアーとしても使えます。
他のルアーを試したい時でも1つはルアーケースに入れておく頼もしい最終兵器、それがVJです。
ワインドなど激しいアクションには適さない
ワインドという、ワームをジャーキングさせる手法がありますが、これには適しません。
VJシリーズは「ワームの可動域が広い」「ワームが柔らかい」というメリットが裏目に出て、ワインドのようなルアーの激しい動きをすると、ワームが後方のトレブルフックに引っかかってしまうことがよくあります。
慣れないうちは、頻発すると手返しが悪化しあまり効率的ではないので、ワインドさせたい場合はジグヘッドをVJではなく、ワインドしやすいように開発された、同じコアマンのアルカリダートに変えることをお勧めします。
売っていない
最近は、VJの「釣れる」噂が爆発的に広まり、釣具屋には入荷後数時間で売り切れるという伝説のアイテム。まさにたまごっち状態に。
ネットでは高額で転売がなされ、「定価でなかなか手に入らない」との声も。
ただ、その場合のVJに代わるルアーついては考察した記事がありますので是非参考にしてください。
釣れないときの対策
VJ-16は釣れる確率がかなり高いルアーです。それでも、完全なものはこの世に存在しないのと同じで、釣れないときもあります。そんなときは次のことを試してみてください。
レンジを変える
シーバスの泳ぐ層(レンジ)とルアーの泳ぐレンジが違えば、いくらVJでも釣れません。
フォールして巻き始めるまでのカウントを変えてみるほか、ジグヘッドを16gではなく22gや28gなどのVJ-22、Vj-28に変えてみましょう。ジグヘッドの重さによって泳ぐレンジが変わります。
ストップアンドゴーを試してみる
5~6回巻いては1秒止め、4~5回巻いては1秒止め、というストップアンドゴーを不規則に繰り返すとバイトチャンスは増えます。
ジャーキングなどはワームが引っかかるリスクになりますので、慣れるまではストップアンドゴーを推奨です。
場所を変える
「初心者でも釣れる」のがVJですが、どうしても反応がないときは場所を変えてみてください。いやいや、複雑な理論を駆使した場所探しは不要です。例えば、単に「5m横にずれる」を繰り返すだけでOK。
シーバス釣りでよく言われる「橋脚周り」や「潮目」は、狙った方が確かに効率はいいです。しかし、キャストが慣れていなかったり、ポイント探しが良くわからないのが初心者というもの。
とにかく4~5投して無反応なら移動、移動、とやっているとヒットする場所があるはずです。そしてそこが「シーバスが居着く場所」と考え、どうしてヒットしたのかを考える…すると他のルアーでも釣れるようになります。
そもそも釣り場のチョイスが間違っている可能性もあります。その際は以下の記事もご覧になって、沖堤防や海釣り公園で挑戦してみてください。
1匹でも釣れると気持ちが楽に
『100回釣れない理由を考えるよりも、1回釣れる理由を考えるほうが釣り人を大きく成長させる』という言葉の通り、「魚がいないのか」「アクションが悪いのか」「ルアーの色が悪いのか」「はたまたレンジが悪いのか」・・・
釣れない理由というのは結局のところわかりません。釣れない理由を熟考するよりも1匹釣れた理由を考えるほうが100倍の価値があります。なおかつ、簡単に釣れると「私でも釣れる」という余裕が生まれます。そして、心の余裕は釣れない理由の分析力を高めてくれます。でも、悔しいですけどね(笑
私もVJを使って釣ることができてから、冷静に、楽しく釣りをすることができるようになり、だんだんとVJ以外のルアーでもどうシーバスを釣ればよいのか、わかるようになってきています。
そんな不安を持つ方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。