シーバスに限らずルアー選びは状況に合わせて選ぶことが基本ですが、最初からそう言われても何が何やら…という感じですよね。そこで、本ページではまだ1匹も釣れたことのないビギナーの方が「まずは1匹釣る」ためのシーバスルアーの選び方を簡単にまとめました。
管理人だって至らぬ点の多い釣り人で、シーバス釣りを初めてから最初に1匹に出会うまでも相当な時間を要しました。
だから「釣れるルアー」はともかく「ビギナーが最初に使っておいた方が良いルアー」は釣りをしていく中でこれでもかというほど検証を重ねてきましたので、これから初めて釣具屋に行くよ!もしくはこれを釣具屋で見ているよ!という方には参考になると思いますので、是非最後まで読んでみてください。
最初の1匹に出会うルアーの選び方
まず最初に、シーバスのルアーは以下の5点を中心に選びます。上に行くほど重要度は高いです。
他にもいくつかありますが、とりあえずこの5つ、特に上2つは必ず覚えておきましょう。これから一つずつ解説していきます。
形はシーバスの「ベイト」に合わせる
シーバスは魚だけでなくカニやムシ、プランクトンなども食べますし、捕食する魚の種類も豊富です。ただ、極めて偏食傾向が強く、何か一種類のベイトを食べているときは他のベイトには見向きもしません。
そのため、ルアー選びの原則は今から行こうとする釣り場のベイトフィッシュを調べ、それに合わせた形のルアーを選ぶことが最も大事です。
この捕食している餌(ベイト)にルアーを合わせる(マッチさせる)ことを「マッチザベイト」と言います。
ルアーは色やレンジ、材質など様々に選ぶ要素がありますが、最も優先させるべきはこれです。ベイトの種類は季節や場所で変化しますので、買うときも、持っていくときもその釣り場の今のベイトをまずは知ったうえで買いましょう。
ベイトの調べ方
ベイトは釣り人が一年間通っていくとなんとなくわかってくるものですが、最初はまずはTwitterなどのSNSでサビキやエサ釣りなどの釣果を調べたり、釣具屋の店員さんなどに聞いたりするとよいでしょう。
本日もご利用ありがとうございました。
— 若洲FS【若洲のレンタル釣具店】公式 (@wakasu_umiduri) September 4, 2022
レンタルのお客様の釣果!
キャンプ場前、堤防とカタクチイワシが今日も好調でした。
堤防のほうに行けなかったのでお写真ありませんが豆アジ、小サバなども顔見られた方もいらっしゃったようです。
これからが楽しみですね!#若洲#海釣り pic.twitter.com/Ef6p897YrQ
あ~このときの若洲は最高ですね。
バチやアミなど、特定の時期だけに出現するベイトもありますが、イナッコやコノシロのように割と一年を通して居続けるヤツらもいますので、最終的には通って毎回確認し、経験を積むことが一番正確です。
ルアーの選び方
さて、ベイトがわかったらあとはルアーの選び方です。選ぶポイントは簡単で、次の二つしかありません。
当たり前ですがルアーは本物ではないので、完全にそっくりなものを選ぶ必要はありません。
ただ、10㎝くらいのベイトがうようよしているのに20㎝のビッグベイトはあまりに無理があるし、太いイナッコが泳いでいるのに、バチやサヨリ用の細いルアーにしていたら釣れるものも釣れません。
太さと、長さ、これが大体ベイトとマッチするように注意して選びましょう。
よく飛び、操作しやすいルアーを選ぶ
「投げやすい」「操作しやすい」
実はこれが一番大事だと思います。初心者はとにかくキャストやコントロールもままならない状態ですから、投げやすくタダ巻きだけでしっかりと釣れる動きをしてくれるルアーにすることが大事です。
「魚」より「人間」の事情を最適化する
釣れる要因は確かにいろいろあるのですが、最初のころに圧倒的に影響があるのは、魚に対するアプローチ(例えばどんなルアーにするかとか)よりは、人間側の事情ではないかと思います。例えば、
釣り場が混んでいた
ルアーが目当てのところに落ちていかない
これらはすべて人間側の事情ですが、しかしそもそも魚のいるところにルアーを落とせていないので「ルアーチョイス」よりもより重要だということがわかるでしょう。
このように、まずは魚のいるところにちゃんとルアーを通せることが大事。そのためには、ビギナーの腕をカバーしてくれるようなシンプルで扱いやすいルアーが優先されます。
例えばブローウィンというルアー有名ですが、これはジャーキングという手元でロッドをジャカジャカ動かす操作が必要で初心者には難しい。
それよりは、タダ巻きするだけでいい動きをしてくれるサイレントアサシンのほうが最初の1匹を釣るには適したルアーではないかと思います。
SNSなどを覗くと、釣れるルアーの前評判ばかりが先行してつい買ってしまいそうになりますが、購入前に、投げやすく、簡単に飛距離が出て、なおかつタダ巻きでOKなルアーなのか確認しましょう。
固定重心もしくはAR-C
ビギナーが選ぶ「操作しやすいルアー」は「固定重心」か「AR-C」という機能を持ったルアーを選ぶことです。
ルアーは飛距離を出すために、中にオモリとなる玉が入っているものがあります。こういうルアーを「移動重心」と言います。
キャストすると、遠心力でこの球がルアーの尾っぽの方に移動します。重心が進行方向に移動するのでよく飛ぶという理屈です。
しかし、尾っぽの方に重心があるままだと、今度は着水後ルアーが頭をあげた不自然な姿勢となり魚に見切られてしまいます。これを防止するために、着水後ロッドを軽くしゃくる必要があります。
ただビギナーだと、しゃくり方が不十分もしくはやり過ぎで玉が後ろにあるままになることがあったり、糸フケが出すぎてうまくいかないこともあります。
少しでも「狙ったところにルアーを落として引いてくる」という事に意識を持っていってほしいため、こういう機能のない固定重心か、バネと磁石の力で着水後自動的にオモリを前に戻してくれるSHIMANOのAR-C機能搭載のもの(先ほどのサイレントアサシンなど)が良いです。
固定重心で飛距離が出るルアー
「バイブレーション」に分類されているルアーは固定重心でタダ巻きで釣ることを想定しているため、初心者には最適です。ただ沈みやすく結構激しい動きをするので浅いところや夜中使いづらいかもしれません。
スイッチヒッターはシンキングペンシルといって鉛筆のようにシンプルな形をしたルアーです。引き抵抗が少なく、そこが少しビギナーには難しいかなと思うのですが、固定重心でかなりの飛距離があり、かつ重く他のシンペンに比べると操作感を感じやすいため「1本目のシンペン」としてはおすすめです。
説明不要なくらい釣れるルアーがVJ-16。ジグヘッドというオモリつきフックにワームがついている構造のルアーです。ワームが柔らかくてちゃんとキャストしないとフックに引っかかりやすいのですが、それさえ克服すれば天下無敵のルアーです。詳しくはこちら。
カラーはまずは2~3種でOK
次にカラーの話です。これはあまり気にしすぎることはないと思います。もちろんとても大事な話なのですが、ここからの3つの話を重視するあまりこれまでの2つの話がないがしろになるのは本末転倒です。
まずは「マッチザベイト」「投げやすく、操作しやすいルアー」を選びましょう。
カラーの選び方は「水の濁り度」を基準にする
カラーはイナッコならこれ、サヨリならこれ…といろいろとこだわりがあるのですが、大きな基準は水の濁りです。濁りの強さ、透明度によってルアーの色を大きく変える必要があります。
ちなみにナイトゲームは暗くて見えづらいので考え方は濁りが強いときと同じです。
透明度が高い | クリア、白、青、ブラックなど |
濁りが強い (&ナイトゲーム) | チャート、レッドヘッド、 コットンキャンディ、ブラックなど |
三浦や静岡など透明度が高いところはクリアや青などのカラーがおすすめです。
濁りが強いとき、釣り独自の用語の色がよく使われます。チャートとは蛍光色のこと。黄色い蛍光ペンの色です。
初めての方だと「こんな派手な色絶対自然界にないじゃん?!マッチザベイトは?釣れるの?!」と思いがちですが、魚の目は人間ほど多くの色彩を感じていないことなどからこの色でも釣れる…むしろ慣れてくると「すごい釣れるカラー」だと感じるようになります。
次にレッドヘッドは頭(ヘッド)が赤で胴体が白やパール(真珠色)のルアー。よく見ますよねこういう色。
そして、コットンキャンディは虹色です。
どちらにも「ブラック」が入っていることからわかるように、実は黒は透明度が高いときもリアルに見えるし、夜や濁りが強いときはシルエットが強く出て目立つカラーです。お金がなくて数を多く買えない、という場合はまずはブラックを押さえておくとよいでしょう。
都市河川なら派手目なカラーでよい
よくデイゲームではチャートやレッドヘッドは使わない、という人がいますが、都市河川であればある程度濁りが入っているのであまり気にせず割と派手目なカラーを使ってしまっても問題ないです。
カラーの好みは釣り人の価値観にも影響していて「このカラーで釣りたい」と思う気持ちが大事だったりします。特定のカラーに縛られ続けるのはまずいですが、ある程度緩く考えても問題ないでしょう。
あらゆるレンジを泳ぐルアーを用意しておく
ルアーは種類によって泳ぐ深さ(レンジ)が違います。フローティングルアーは説明書きに書いてある水深までしか潜ってくれません。例えばSHIMANOのサイレントアサシンとシャロ―アサシンは次の通り。
シーバスは30㎝レンジが違うと全く食ってこなくなるといいます。逆にレンジを合わせれば、他は釣れていないのに自分だけ爆釣…という事態も起こりうるわけです。そのため釣れない!というときにいろいろなレンジを試せるように、なるべく多くの深さを探れるルアーを用意しておいた方がよいでしょう。
探りたいレンジ | 適したルアーの種類 |
---|---|
表層 | フローティングルアー、シンキングペンシル |
表層~中層 | シンキングルアー、シンキングペンシル |
中層 | ワーム、ロングビルミノー |
中層~ボトム | バイブレーション、ワーム |
ボトム | 重いワーム、メタルバイブレーション |
ロングビルミノーとは、リップと言われるミノーの頭についている透明の水受けがとても長いものです。セットアッパーなどがこれです。大きいルアーですが、ベイトが小さすぎないとき以外は結構釣れます。中層って意外と探りづらいため持っておくとよいですよ。
泳ぎ方は応用レベルでOK
最後に、ルアーはそれぞれ独自の泳ぎ方があります。
泳ぎ方 | 具体的な泳ぎ方 |
---|---|
ウォブリング | バイブレーションなど、 ブルブルとおしりを振って泳ぐタイプ |
ローリング | その名の通り、ルアー全体がくるくると ロールして泳ぐタイプ |
ウォブンロール | ウォブリングとローリングの組み合わせ |
S字スラローム | ゆーらゆーらとS字にゆっくりと 蛇行しながら泳ぐタイプ |
ウォブリングは激しい動きをするルアーに多く、広い場所で魚の方から気が付いてほしい!というシチュエーションのときによく使います。
ウォブリングと比べると、ローリングやS字スラロームは魚にとってはおとなしい動きに見えるようで、ウォブリングでの反応に薄いときに使うと釣れることがあります。
しかし、繰り返しますがこれはあまり重要ではありません。激戦区などでどうしても食わないときの必殺としてスラロームを投入!といった場面が考えられますが、まず最初に1匹釣りたい!という人はそういう激戦区は避け、マッチザベイトのルアーをもっていって単純なウォブリングだけでも釣れるような日に釣りに行くことの方が大事です。
この辺は慣れてきたら意識するようにしましょう。
一応紹介!ローリング系のルアー
名前の通り。バイブレーションですがローリングするために、バイブレーションで擦れてしまっていたり、激戦区などで効果を発揮するルアーです。自分が監修したわけではないのにプロの村岡正憲や小沼正弥さんも絶賛のルアーです。固定重心なので投げやすいですよ。
スラローム系ルアー
スラローム系の王者と言えばワスプスラローム。これは本当に釣れますね。管理人も何ヒットもしています(実は全部バラしてしまっていてキャッチ率0%なんですが…)。飛距離も他のスラローム系ルアーよりあって操作しやすい印象です。
ただ人気すぎて高額になっていため、他のスラローム系ルアーについては次の記事でまとめています。
マッチザベイトで「釣れる釣り場」に行くこと!
「最初の一匹を釣るためのルアーの選び方」を5つご紹介してみました。
繰り返しになりますが、後半3つよりは上の2つを優先してください。ビギナーはまずはマッチザベイトか、操作しやすいかが最も重要と思います。
そして、マッチザベイトのルアーをもって釣れる釣り場に行ってください。
釣れる釣り場というのは潮通しが良くて、人がいないこと。例えば雨の日、例えば平日…などなど人がいないタイミングでイワシが回ってるよ~!ってときの海釣り公園なんか最高ですよ…。
1匹をキャッチして、もっと専門的に狙いたい!と思えるような釣行をお祈りしています!