釣り竿(ロッド)を買う、といっても、まだ何を釣りたいか決めてなければ「いろいろな釣りができるロッドが欲しい」と考える人は多いでしょう。
ロッドは1本1万円以上する安くない買い物。一つに絞った後に「やっぱりあっちの釣りがしたかった」なんて思いはしたくないですよね。
今回は初心者の方が損をしないロッド選びができるように、いろいろな釣りができる万能ロッドの選び方や注意点について解説します。初心者が安心して使えるコスパ抜群のおすすめロッドもご紹介しているのでぜひ最後までお読みいただけたらと思います。
万能竿(万能ロッド)とは
万能ロッドとは、どのような釣りにも使える便利な釣竿のことを指します。そのような釣竿は厳密にはないのですが、汎用性の高い釣り竿を万能ロッドということはあります。
一般的にはロッドの長さや硬さが、あらゆる釣りの中間位に位置するシーバスロッドやエギングロッドを指すことが多いです。
シーバス・エギングロッドが万能ロッドと言える
万能ロッド、つまり、なるべく多くの釣り種に対応できるロッドは何か?といわれたら、それはシーバスロッドとエギングロッドです。
この二種は、「長すぎず、短すぎず」「硬すぎず、柔らかすぎない」。
あらゆるロッドの特徴の中間に位置するようなロッドです。
魚の種類は千差万別。なので、厳密には「なんでも釣れるロッド」は存在しないのですが、強いてあげろと言われると、シーバスロッドとエギングロッドが最も汎用性が高いロッドと考えられます。
なぜシーバス・エギングロッド以外ではダメなのか?
実は「このロッドではダメ」という決まりはありません。趣味ですから気に入ったロッドを使いましょう。
ただ、想定される魚種からかけ離れすぎるロッドを使うと、釣れないばかりか破損や怪我につながる危険性があるので要注意です。
例えばシーバスロッドとアジングロッドでは下記の通り太さが全然違います。アジングロッドに60cmのシーバスがかかってしまったら、取り込みはほぼ不可能でしょう。

特に釣り物が決まってない中で「最初の一本が欲しい」のであればシーバスかエギングロッドが無難といえます。

もちろん、「したい釣り」が明らかなら、迷うことなくその釣りの専用竿を買うべきです。
万能ロッド(シーバス・エギングロッド)の選び方
選ぶロッドの種類が決まったら、今度はそれをどうやって選ぶのか、知っておかなければなりません。
そこで、万能ロッド(ここではシーバスロッドとエギングロッド)の簡単な選び方をご紹介します。ポイントは以下の二点です。
重さ/硬さ/長さ
気に入るかどうか
万能ロッドは重さ/硬さ/長さで選ぶ
ロッドは重さ/硬さ/長さの3段階だけ見ておけばOKです。あとは先調子がどうとかガイドがどうとかいろいろあるのですが、そんなの最初は全くわかりませんので、わかるまでは気にしないで大丈夫です。
もう少し詳しく知りたい!という方は、シーバスロッドの選び方について詳しくまとめた記事をご用意しております(エギングロッドもほぼ同じことが言えます)。そちらも併せてご覧ください。
ロッドは「扱いやすさ」を優先しよう!
シーバスロッドもエギングロッドも、短めで柔らかめの扱いやすいロッドを選びましょう。
ロッドは長いほど遠投でき、硬いほど大きな魚と勝負できます。一方で長すぎ・硬すぎのロッドは扱いにくくなります。
初心者はまず、正確な位置に仕掛けを投入する、ルアーを泳がせることができるようになることが大切。「手元に夢中でロッドの先端を壁にぶつけて破損」といったトラブルも最初は起こりやすいのです。
釣れる/釣れない、の前に、「長い棒」の扱いに慣れるまでは上記の基準に当てはまる程度の「扱いやすいロッド」とすることが大事です。
ちなみに、エギングロッドはシーバスより短め・柔らかめに作られています。
だから、あまり大きな魚とのやり取りを考えていない方、力に自信のない方はエギングロッドから選ぶのもよいでしょう。その代わり、大きなルアーの操作や大きな魚とのやり取りは少し不利になります。大物狙いの方は硬めのシーバスロッド
にしましょう。
最初のロッド選びは「気に入ったもの」でOK!
シーバスロッドやエギングロッドなど万能ロッドの選び方では、今述べた「重さ/硬さ/長さ」以外にあらゆる指標があります。でも、ぶっちゃけそんなの最初はわかりません(笑)。
だから「かっこいい!」といった理由で選んでしまって大丈夫です。

なぜなら、テーパーがなんとかで、ブランクスがほにゃらら…そんな説明受けたところでそれを実感することは最初はできないからです。
それよりも、「軽いな!」「キラキラしてかっこいいぞ!」といった初心者でもわかる点で選んだほうが、大切にしようと思う気持ちと、釣りのモチベーションが芽生えます。そうすれば釣行回数が増え、その分うまくなるでしょう。
うまくなってくれば自然とどんな釣り竿がまた欲しくなるかわかってきます。
最初はあまり悩まず直感で!かっこいいロッドを選びましょう。

趣味なんですから…
おすすめの万能ロッド(シーバス・エギングロッド)5選!
釣具屋に行ってもどれがどれやら…とならないよう、初心者ならこれ!と思う万能ロッドをご紹介します。超有名で大体最初はこれだよね!という安心できるモデルを選びました。
ちなみに、下記のリンクから買ってくださるとありがたいですが、ロッドは送料もかかりますし、何よりも実物を手で触って握り心地などを体感することも大事です。実店舗にもぜひ寄ってみてください。
メジャークラフト『ファーストキャスト』(シーバス)
シーバスロッドの「ファーストキャスト」はシーバス釣りのエントリーモデルとしては超有名な1本。手に入れやすい本格的なロッドです。ちなみに、エギングモデルもあります。
とにかく安いのに、丈夫で扱いやすいのです。だから、ルアー釣りだけでなく、サビキ釣りやちょい投げ釣りなど初心者向けの仕掛けを気軽にバンバンつけられます。
「まだ何釣りがしたいのかもわからないけど、とにかく釣り竿が一本ほしい」という方にうってつけです。
シマノ『ルアーマチック』(シーバス)
釣り具の2大メーカーのシマノ(もう一つはダイワ)が出しているシーバスロッドのエントリーモデルがルアーマチックです。かなり有名らしく、ルアーマンの多い釣り場では必ず1人は持っている(管理人調べ)のを見ます。
もちろんルアーだけでなく、サビキやちょい投げなどでも扱いやすいでしょう。
なにより、ルアーマチックは、身元の分からない工場ではなく、シマノの自社工場で、独自の品質基準に照らし合わせて製造しており、低価格帯ながら安定した品質を確保しているところが大きな安心ポイントでもあります。
ダイワ『シーバスハンターX』(シーバス)
二大メーカーのもう一つ、ダイワのエントリー向けロッド。ただ、こちらは1万円前後するモデルです。本格的に「ルアー釣りに絞ろうかなぁ」と思っているのであればこちらを是非お勧めします。
1万円以上するモデルの良いところはKガイドが搭載されていることです。
Kガイドとは、ロッドのガイド(ロッドについている糸を通す丸いリング)にPEラインが絡まってしまうトラブルを減らすガイドのこと。投げるのに慣れていない初心者にはうれしい機能です。
特にシーバスハンターはダイワのKガイド搭載モデルの中でも最安です。これより上位種のラテオなどと機能面ではそん色ないです。Kガイド搭載の本格ロッドを考えている方には是非ご一考いただきたいロッドです。
ダイワ『エメラルダス』(エギング)
4本目はエギングロッドを紹介。エギングロッドはシーバスロッドよりも若干軽く作られているため、お子さんなど力があまりない方でも扱いやすくなっています。
エメラルダスは1万円前後のエントリーモデル。万能ロッドとして使用したいという方でも、エギングを専門にしたいという方でも納得の品質です。
特にダイワは洗練されたデザインが特徴。見た目にこだわる方にもお勧めできます。
シマノ『セフィアBB』(エギング)
シマノ製品でエメラルダスとの同価格帯ではセフィアBBが有名。こちらはガイド(ロッドについている糸を通す丸いリング)にSicリングというものが使われています。これ以上の上級ロッドにはすべてついている素材で、ラインの糸がらみがずいぶん減るというもの。
エメラルダスに比べても10gほど軽いため、どちらかで迷うなら、私はセフィアにするなぁという感想です。
万能ロッド使用時の注意点
最後に、万能ロッドを使用する際の注意点をご紹介します。守って使っているとより釣りの上達が早く感じられると思います
「対応負荷・ライン」はよく見る
万能ロッドと言えども、メーカーが想定していない使い方をするとロッドの破損や使用者のケガにもつながりますので注意が必要です。
中でも、対応負荷を超えたオモリやルアーはなるべく使わないこと。ロッド購入時に書いてある対応負荷とラインの号数を守るようにしましょう。

例えばMAX WEIGHT=40gと書いてあれば、それを超えるオモリをつけるとロッドの破損の原因になります。厳密には大丈夫な場合もあるのですが慣れないうちはよしておきましょう。
ロッドは擦れ・横の衝撃に弱い
ロッドはしなりに強く…相当曲げても折れないくらい丈夫です。
一方で、こすれや横からの衝撃には極端に弱いです。軽くでも踏んでしまえば一発アウトですし、竿を磯などごつごつしたものに不用心に立てかけるのもNG。
傷がついて折れやすくなり、その時は大丈夫でも、魚がかかったり、根掛かりで急な負荷がかかったときにポキっといく(逝く)こともあります。

管理人は粗雑に扱って、根掛かりの際に2万5000円のロッドを折ったことがあります…。
使用時、操作性/感度などを意識しよう
今は万能ロッドでも、慣れるうちに釣りたい魚が決まって専用ロッドが欲しくなってくるもの。
その時に「違いが判る人間」になるためにも、ただぼんやりと使わず、ロッドの性能を意識して使いましょう。キャストのしやすさ、ルアーの操作感、仕掛けやルアーがどう動いているかを手に伝わってくる振動(感度)で感じ取るようにするなどです。
操作性や感度などを普段から意識して使っていると、別のロッドに変えたときにその違いを強く感じ取ることができるようになります。

初めて10万円近いロッドを触らせてもらったときは気絶しそうなくらいにびっくりしました(買いませんでしたが…)
「釣れる」だけでなく、ロッドの性質を楽しむことができれば釣り沼まっしぐら!ワクワクの釣りライフをお楽しみください!