冬になると活性が下がり、シーバスも釣れづらくなります。ベイトの数が限られ「たまたまベイトにマッチしたルアーをチョイスできる確率」が下がるからだと思われます。
寒いだけで、釣れないし、最悪!
でも、冬はパターンを押さえることができれば希望はあります。むしろ、何本も上げている上級者もいます。
今回はそのパターンの一つ「アミパターン」を考えます。始めたばかりの人は知らないことも多いパターンです。これについて、基礎から解説します。
アミパターンとは?
「アミエビ」というプランクトンのこと
アミパターンの「アミ」とは、アミエビというプランクトンのことです。サビキ釣りなどでよく使うコマセアミ、あれと同じです。
寒くなる季節、アミエビは産卵を始め個体数が増えます。
一方シーバスはこの時期、産卵を終え疲れた個体や寒くて活性の下がった個体が主です。ベイトの数も減るため、ほぼ動かずにフワフワ漂うアミエビは格好のエサです。
光に集まる性質があるため、水面を照らすとその姿を確認できることがあります(照らしすぎはシーバスに警戒されるため要注意)。下の画像は、鶴見川でのアミの様子です。
港湾部や河口域に多い
アミエビは港湾部や河口域によく発生します。河川の上流、真水のエリアでは見かけません。
場所的に、バチ抜けやハクパターンと混在することがありますので、ルアーやタックルも3つのパターンに対応できるものを用意しておくと◎です。
アミパターンの釣り方①:ルアーの考え方
アミを追って来たベイトを演出
アミパターンではマッチザベイトは難しいです。そもそもアミに対応する大きさのルアーはシーバスタックルでは表現できないからです。アジングのプランクトンパターンのワームに食いついてくることがあるのもこのためです。
そのため、アミにイミテートするルアーではなく、アミに寄ってきたベイトをイミテートしたルアーを選択します。そのため、アミ同様、フワフワ漂わせるイメージなのでスローリトリーブでも底に落ちていかないような比重の軽いルアーを選択します。
アミパターン、代表的なルアー
代表的なルアーをあげます。基本的に表層から中層、ボトムと表層がダメならどんどんレンジを下げていけるようにしています。
このルアーでなくても特徴を押さえ、似たような考え方で選んでいただければと思います。
●浅いレンジを狙うならワンダー
シンキングペンシルの王道がワンダーです。アミパターンでないバチパターンや、夏、秋でも主にナイトゲームで活躍しますので、コスパ的にもおすすめです。
飛距離が抜群なので、多摩川などの広い河口域で最適。引いている感覚が全くないルアーですが、だからこそナチュラルにシーバスのバイトを誘うことができます。
20cm前後の浅いレンジを泳いでくれるため、ナイトの1投目として最適です。
●中層攻略にはサスケSS95mm
50cm前後とワンダーよりも潜ってくれて、かつ、アクションがそれほど大きくないサスケSSは「思ったより表層にいない」時の第2号ルアーとしておすすめ。
注意すべきは、サスケは110Sや120、140のフローティングなど、多くの種類が出ています。中層攻略として使うならSS95mmが比較的潜ってくれるため、名前だけで選んで浮くルアーを買ってしまわないようご注意ください。
ただ、これだけシリーズが出ているというのは、それだけ都市のスレたシーバスに効いているという証拠でもあります。
●ボトム付近を狙うにはローリングベイト
ローリングベイト、通称ロリベはローリングという地味だけどシーバスが好きなアクションでバイトを誘うルアーです。
特徴的なのは、ボトムレンジにすぐに潜ってくれること。遅めのリトリーブでも落とした場所の一定層を泳いでくれるため、表層レンジでシーバスが食わない場合のバリエーションとして使えます。
ただ、浅すぎるところでは根掛かりを引き起こす危険がありますので、ボトムの形状やレンジの把握等はしっかりするようにしましょう。
アミパターンの釣り方②:具体的な釣り方
ルアーは「デッドリトリーブ」
アミパターンでのアクションは、超スローなリトリーブのみ。上流にルアーを投げ、水流の速さと同じ速度で糸を巻き取るだけです。
アミは泳がず漂うだけ。シーバスもエサを追わず目の前のアミをパクっと食べるだけです。「とにかく楽にエサを食いたい」と思っているわけですから、流れよりも速く泳ぐベイトには見向きもしないのです。
明るいところを意識する
アミエビはプランクトン。プランクトンは明るいところに集まる傾向があります。アジングではおなじみですね。したがって、アミパターンのシーバス攻略も街灯が照らすような明るい場所を狙ってみましょう。
例えば下記のような場所です。
シーバスは橋脚下等の明暗がはっきりしている場所の暗い方にいることが多いです。したがって、明るい方から流れに乗せてルアーを送り込むと最もよいです(そういう場所は激戦区が多いので場所取りも大事です)。
流れの溜まるところを意識する
繰り返しますがアミエビはプランクトンなので遊泳力はなく、水に流されるままになります。したがって、アミエビは流れのヨレや淀みなど、水流に変化があり、かつ、水流が止まっている、溜まっている場所に多く集まります。
シーバスもそれを狙って集まりますので、ねらい目です。具体的には橋脚やストラクチャー周りなどですが、潮目や目に見えない淀みもあります。
橋脚などのわかりやすいストラクチャーは激戦区ですし、画像のような岸側の淀みは人がいるせいでシーバスが居着いていないことがあるため、沖の「見えない淀み」を狙うと釣果が変わります。
探し方は潮目を目視するか、先ほどのワンダーのような引き抵抗のないシンキングペンシルを通して、ルアーの流れる感触で探る必要があります。上流にルアーを流した場合、引く感触が重くなる場所が「淀み」と考えられます。
感度をよくするためにシンペンなど、抵抗のないルアーを使い、ロッドはML~Lくらいの柔らかいものを使うことがおすすめです。
アミパターン釣行まとめ
特に最後は重要です。アミパターンで攻略してみて反応がない場合はバチやハクの可能性も考え、それに適したルアーをチョイスしてください。
寒さ対策はばっちり行い、楽しいシーバス釣行を。