冬になると活性が下がり、シーバスも釣れづらくなります。ベイトの数が限られ「たまたまベイトにマッチしたルアーをチョイスできる確率」が下がるからだと思われます。
寒いだけで、釣れないし、最悪!
この傾向はカタクチイワシが本格的に回るまでの春先まで続くようです。
でも、冬はパターンを押さえることができれば希望はあります。むしろ、何本も上げている上級者もいます。
今回はそのパターンの一つ「ハクパターン」を考えます。始めたばかりの人は知らないことも多いパターンです。これについて、基礎から解説します。
ハクパターンとは?
ボラの幼魚のこと
ハクパターンの「ハク」とは、ボラの幼魚のことです。10cm以下のボラをハクと呼びます。
それ以上はイナッコと呼びます。厳冬期に生まれたボラは、春先になるまで(関東だと5月くらいまで)岸側に接岸して大量の群れを形成します。
一方シーバスはこの時期、産卵を終え疲れた個体や寒くて活性の下がった個体が主です。ベイトの数も減るため、泳ぎの下手なハクに偏って捕食をする傾向にあります。
よくわからない、嫌われ者
ハクパターンはそもそも寒い釣れない時期の釣りの上に、2~3㎝のベイトという、イミテートしづらいパターンであるため、結構釣り人から嫌われています。私も嫌です。
なので、釣れなくても気張ることなくトライアンドエラーでおおらかに行きましょう!
探し方:水面を照らすとよくわかる
ハクパターンかどうかの見分け方ですが…ハクは大量に群れで泳いでいるため、水面を照らすと光に驚いて一斉にばっしゃー!っと逃げていくのが見えます。
この時期のパターンに重なるバチも水面を照らすと確認できますので、その日のパターンに迷ったらいったん水面を確認するとよいでしょう。
ただ、強い光で照らしすぎるとシーバスの警戒感を強めてしまいますので、ご注意ください。
ハクパターンの釣り方①:ルアーの考え方
ハクの近くにたまたまいるベイトを演出
ハクパターンではアミパターン同様、マッチザベイトは難しいです。
そのため、ハクにイミテートするルアーではなく、ハクの群れに近くにいる別のベイトにイミテートしたルアーを選択します。そのため、フワフワ漂わせるイメージなのでスローリトリーブでも底に落ちていかないような比重の軽いルアーを選択します。
おすすめはローリングベイト。
ローリングベイト、通称ロリベはローリングという地味だけどシーバスが好きなアクションでバイトを誘うルアーです。
特徴的なのは、ボトムレンジにすぐに潜ってくれること。遅めのリトリーブでも落とした場所の一定層を泳いでくれます。後述しますが、ハクパターンは群れの下をルアーが通るようにするとシーバスのバイトを狙えるため、深く潜ってくれ、アクションが派手過ぎないロリベは非常に重宝します。
ただ、浅すぎるところでは根掛かりを引き起こす危険がありますので、ボトムの形状やレンジの把握等はしっかりするようにしましょう。
ハクにイミテートした極小ルアーを使う
アミパターンと違って、ハクはギリギリそのサイズに合ったルアーが何種類か発売されています。
王道はバクリースピン。4.5cmの極小サイズ。スピンテールながらシリコンコーティングされアピール力は低いため、ナイトゲームでもボトム攻略に使えます。
ラパラの有名な「カウントダウン」も2.5cmという極小サイズが発売されています。シンキングのため、カウントを取っていくらか沈めてからゆっくりタダ巻きが基本。
これらのルアーは小さくて軽いため、夏用の4号前後のリーダーでは動きがぎこちなくなり、シーバスに警戒されてしまう恐れがあります。リーダーは2.0号や1.5号など、思い切って細くすることが必要です。
強度に不安がある方は少し高価ですが、小沼正弥氏などシーバスプロも使用するグランドマックスがおすすめです。
なんだかんだでワームは最強
あとは5~10gくらいの軽めのジグヘッドに2.5インチくらいのワームをつけてダウンクロスで泳がせると、橋の下など変化のある所でヒットすることがあります。以下は隅田川のハクパターンと思われるシチュエーションで釣れた時のシーバス。
ルアーを回収するくらい割と速めのリトリーブでした。わかりませんね。
ハクパターンの釣り方②:具体的な釣り方
巻き速度は遅めが基本だけど…
ハクは生まれたばかりで泳ぎが上手でなく、流れの少しのヨレなどで姿勢を崩したり、群れから外れたりします。シーバスはそういった弱ったハクを狙っています
そのためハクパターンでのルアーアクションは、あまり速すぎるリトリーブはしません。特にハクパターンなのかよくわからないときは。なので最初は上流にルアーを投げ、水流の速さと同じくらいの速度で巻き取り(いわゆるナチュラルドリフト)をしてみましょう。
ただし、後述しますが、群れがいる場合はその下を割と早いアクションで引いてくると食ってくることがあるようです。
群れの下をルアーが通るようにする
ハクが「何十匹も群れているとシーバスはかえって個々のハクに狙いをつけづらくなります。そのため、上記のようにシーバスは群れから外れたハクを狙います。
ハクの群れや、ボイルを見つけたら、その十数メートル先にルアーを着水させ、群れの下を泳ぐように通してください。この場合、先ほどのように遅いリトリーブだそうですが、私は早く引いても釣れてきたことがあるので正直断言できません…。2パターンで試してみてもよいかもしれません。
ちなみにこれは暗い中でのキャスト力やコントロール力が求められます。昼間に練習するとよいですよ。
流れの変化や溜まるところを意識する
ハクは泳ぎが上手ではないため、流れの緩いところ(淀み)もしくは流れの変化するところ(姿勢が変化しやすい)に溜まります。
シーバスもそれを狙って集まりますので、ねらい目です。具体的には橋脚やストラクチャー周りなどですが、潮目や目に見えない淀みもあります。
橋脚などのわかりやすいストラクチャーは激戦区ですし、画像のような岸側の淀みは人がいるせいでシーバスが居着いていないことがあるため、沖の「見えない淀み」を狙うと釣果が変わります。
探し方は潮目を目視するか、引き抵抗のないシンキングペンシルを通して、ルアーの流れる感触で探る必要があります。上流にルアーを流した場合、引く感触が重くなる場所が「淀み」と考えられます。
感度をよくするためにシンペンなど、抵抗のないルアーを使い、ロッドはML~Lくらいの柔らかいものを使うことがおすすめです。
ハクパターン釣行まとめ
特に最後は重要です。ハクパターンで攻略してみて反応がない場合はバチやアミの可能性も考え、それに適したルアーをチョイスしてください。
どのパターンも微妙なアクション、レンジの違いはあれど使うルアーは似通っています。ハクで釣れないからとあきらめずあらゆるパターンを想定してみることが腕を上げるコツです。
寒さ対策はばっちり行い、楽しいシーバス釣行を。