シーバス釣りをするならプラグ(ミノーやシンペン)で1匹釣りたい。
そんな風に考える人も多いのではないでしょうか。あ、もちろん、ワームやバイブレーションでも十分奥深く、釣り上げられることはすごいことです!!
とはいえ、プラグは種類がとても多いうえに、実は、バイブレーションやワームのようにただ投げるだけでは機能しない種類のものも存在します。
合う・合わないがあり、人によるとは思いますが、バイブやワームで釣ったことがあっても、プラグで釣ったことがない、という人も一定数いるのではないでしょうか?
そこで、初めての方向けに、プラグの使い方をご紹介します。プラグで釣りたい方は必見です。
プラグは「ただ投げるだけ」ではダメなことがある
ワームやバイブレーションは、基本的に着水後タダ巻きでOKです。いつでも一定の泳ぎをしてくれます。泳ぐ層(レンジ)を意識するなど、注意点はありますが、あくまでもプラスアルファの知識であって「そうしないと絶対に釣れない」わけではありません。
ところがプラグの場合、ただ投げるだけではダメな場合があります。「ダメ」とは設計された通りの本来の動きがしないという「やらなければならない」部類のものです。
また、タダ巻きでは釣れないポッパーや、ジャーキングさせないと意味のないブローウィンなど「タダ巻きだけではダメ」なあらゆるタイプのミノーが存在します。
そうした事実を知らずにただ投げ続けても一向に魚は釣れずに「プラグは苦手」となる人が量産されてしまうのは、とてももったいないことです。
ここで一度、プラグを使っての釣りについて、基本的なことを振り返りましょう。
プラグの使い場所
ナイトゲームが主体
ミノーなどのプラグで1匹とにかく釣りたいという方は、ナイトゲームを主体にすることをおすすめします。デイゲームでも釣れないことはないですが、デイではやはりバイブレーションやワームなどリアクションバイトを狙う釣りの方が有利になります。
ナイトゲームと言っても、深夜から夜明けまででやる必要は必ずしもなく、18時ごろの夕マズメから22時頃まででも十分釣果を上げられます。
>>>>ナイトゲームでのシーバス釣りのやり方についてはこちら
河川など狭いところが有利
ミノー類はアクションが弱く、アピール力に劣るものが多いです(中にはブローウィンのようにハイアピールのミノーもあります)。
そのため、どちらかというとシーバスがいそうなストラクチャーや明暗部を狙い撃ちできる河川などの狭い場所が有利です。
明暗部やストラクチャー周り、水門付近など流れの変化のある所を丹念に通すとバイトを誘えます。
デイゲームでのバイブレーション等を使った釣りだと、活性の高いときなどに適当に巻いているだけでも回遊個体が釣れた!ということが稀にありますが、アピール力があてにならないミノーではそれは難しいでしょう。
デイゲームのバイブレーション等とは考え方を変えることが必要です。
プラグの使い方の基本
基本はタダ巻きでOK
一部のプラグを除いて、プラグは、基本的にはタダ巻きで釣れるように設計されています。
投げて着水したら一定の速度で巻いてくる…これでOKです。シンキングタイプなら、狙っているレンジまで落として一定速度で巻く…です。ただし、後述する重心移動タイプの場合はそれだけではダメなので注意が必要です。
問題になるのはリトリーブ速度で、バイブやワームよりも遅めになりますが、詳しくは下記記事をご覧ください。
>>>>具体的なプラグ(特にミノーやシンペン)のリトリーブ速度についてはこちら
明暗など「いそうな場所」を通す
これは前述の通り、シーバスが好んで潜んでいる明暗の暗部や、流れのヨレ(変化のある場所など)、ストラクチャー周り、ヘチなどをタダ巻きで通しましょう。
まずはフローティング系のミノーで試し、バイトがない場合はシンキングタイプのものにする、よりナチュラルなシンキングペンシルにするなど、レンジやルアーの種類を変えて試します。それでも変化がない場合は場所移動です。
とにかくワームやバイブレーションよりは場所のチョイスにセンシティブになる必要があります。
逆に言えば、場所さえ合っていれば意外と簡単に釣れるのがプラグでの釣りです。
「重心移動タイプ」の使い方
「ただ投げるだけ」ではダメなプラグ(ミノー)が存在ます。その代表格が「重心移動」という機能を備えたものです。
重心移動とは、ルアーが遠くまで飛んでくれるようにするための仕掛けのこと。「仕掛け」と言っても構造は簡単で、ルアーの空洞の中に鉛などの球体のおもりが入っているだけ。
キャストするとこのオモリがルアーの後方(飛ぶ方向)に遠心力で移動し、重心が後方に移るため、遠くまで飛んでくれるというわけです。
問題はこのオモリが後方にあるままだと、水面では尾っぽが沈み、頭が出ている状態でそのまま引くと頭が上を向いて溺れているような、とてもじゃないが魚に見えない不格好な泳ぎ方になることです。
それで釣れることもあるかもしれませんが、問題は設計された深度まで行かないなど「自分が狙った通りに動いてくれない」ところにあります。
これを防ぐために、着水したら一度竿を大きくしゃくり、オモリの位置を前にもってきて、ルアーの重心を前に移動させる必要があります。
これ、意外と知られていなくて、しゃくりをやったとたんに釣れるようになった…という方もいます。
重心移動タイプはルアーを振ってみて、カラカラと、中でオモリが鳴る音がするかどうかで見分けられます。フックもカラカラ鳴りますので勘違いしないようにご注意ください。
▽(参考)有名な重心移動ルアー
しゃくる必要のない固定重心とAR-C
一方そういうオモリの入っていないものを固定重心といいます。シンキングペンシルなどに多く、ミノーでも一定数存在します。
また、SHIMANOのルアーの多くにはAR-Cという機構が入っています。これは、ミノーの中に、先ほどのオモリと一緒に磁石が入っていて、投げるときは遠心力でオモリが後方に移動するのですが、着水して遠心力が消えると磁石に吸い寄せられて自動的にオモリが前に戻ってくるという素晴らしいシステムです。
これにより、しゃくりの手間がいらず、立ち上がりもよくなります。しゃくりは、うまくやらないとおもりが反射して後方に戻ってしまうこともあります。そのため、初心者はまずはしゃくりの必要のない固定重心やAR-C機能搭載のルアーにしてみるとよいです。
▽(参考)固定重心ルアー
▽(参考)AR-C搭載ルアー
ダイワの機構は要注意
ちなみに、ダイワのセットアッパーなどにもAR-Cのような機能が搭載されています。HGSとかサイレントウエイトオシレートなどというそうです。
ただこれ、監修された小沼氏も認めていますが、たまに発動しません(汗)なのでAR-Cのときのように安心せず、一回しゃくりの動作は入れたほうがよいと思います。
ルアー自体は間違いなくよいルアーなのですが…。
特殊な動作が必要なプラグの使い方
ジャーキング
これはかなり特殊なルアーですが「ブローウィン」はジャーキング(竿を強くしゃくりながら巻いてくるアクション)を行うことで真価を発揮するルアーです。
このジャーキングをしていると、ボトムにいるシーバスがわざわざ上がってきて食いつく、という報告が相次いでいます。ミノーはナイトゲームで使うことが多いですが、この場合はデイゲーム。沖堤防などの大場所がおすすめ。
むしろタダ巻きするだけであれば、サイレントアサシンなどほかのミノーを使うほうが良いでしょう。
詳しいジャーキングの仕方は、公式動画をご覧ください。
ポッパー
ミノーの種類にはシンキングやフローティングのほかに「ポッパー」というタイプのものがあります。
その名の通り、水面上をポンポンポンと跳ねさせて使います。水面をあがく虫や弱ったベイトフィッシュを表現しています。シーバスやクロダイが水面を意識する真夏の無風状態のときなどに有効です。
ただ、綺麗にポッピングさせるには少々コツがいりますので最初は避けたほうが良いルアーと言えます。やり方については下記動画がとてもわかりやすく紹介してくれています。
まずはタダ巻きを極めてみて
ミノーを中心としたプラグの使い方について解説しました。
ほかにもドリフトやナチュラルドリフトと言った技があるのですが、まずはタダ巻きで釣ってみることを優先したほうがよいと思います。
まずはルアーの設計された動きの出る速度を一定の速さで巻いてこれるようになること、そして、タダ巻き中に、自分のルアーがどのあたりを泳いでいるのかを把握できるようになることが大事です。
それによって、釣れそうなポイントがわかってきたり、ナチュラルドリフトに挑戦したりできるようになります。
プラグで釣れてこそ「シーバス釣り」という感じがしますよね!是非とも1匹、プラグで釣り上げてみてください!