ルアーとリールを結ぶ糸。種類がいくつもあり、太さも様々。何が何だかわからない人も多いのではないでしょうか。
シーバス釣りでは以下の通り、糸は道糸といわれる「ライン(メインライン)」と、ラインからルアーをつなぐ「ショックリーダー」の二種類があります。
今回はそのラインとショックリーダーの二種類について、どんなものを使えばよいのかを解説します。
シーバスタックルの「メインライン」の選び方
メインラインとは、リールから出ている100m~200mくらいの最も長い糸のことで、道糸とも言います。
ラインを選ぶポイントは以下の3ポイントです。
結論から言うと、初心者の場合、PEライン1.0号ー200mのものがおすすめです。ただし、取り付けるリールなどによっても異なってきます。詳しくは以下の通りです。
ラインの材質を選ぶ
ラインには材質別に3つのタイプがあります。PEライン、ナイロンライン、フロロカーボンラインの3つです。
この中で、シーバスタックルでは、PEラインを選びます。理由は、3つのラインの中で抜群に細いのに、引っ張り強度がもっともあるからです。それぞれの特徴は以下の通り。
材質 | 利点 | 難点 |
---|---|---|
PEライン | 引っ張り強度〇 感度〇 劣化しにくい | 高価 擦れに弱い |
ナイロンライン | 安価 バラしにくい | 感度△ 劣化しやすい |
フロロライン | 擦れに強い 感度〇 | 高価 引っ張り強度△ |
ラインは細ければ空気抵抗が減り飛距離が伸びます。一方ルアー釣りは思い切り重いルアーをキャストするので強度も必要です。
かつては強度があるのは太いナイロンラインしかなく、飛距離を犠牲に巻くしかありませんでした。しかし、PEラインが開発されてからルアーの飛距離が抜群に伸び、釣れる確率がとても高くなりました。
少々値段が高いですが、PEラインはナイロンラインよりも劣化しづらく、巻き癖もつかないため総合的なコスパでは勝っています。
ラインの太さ
初心者の方はトラブル回避のために太め(1.0~1.2号)のラインがおすすめです。慣れてきたら飛距離重視で0.8号がおすすめ。
本来、シーバスタックルに使うPEラインの太さは、0.6号から1.5号くらいまでです。飛距離や「ルアーのナチュラルな動き」重視の場合は細く、大型のルアー使用や大型狙いの場合は太めのラインにします。
ラインの長さ
シーバスタックルのラインの長さは、PEラインの太さが1.0~1.2号であれば150mのものを選びましょう。
リールにどれだけのラインが巻けるのかは、リールのスプールを確認するとわかります。
ちなみに、ここに書いてあるのは巻ける量の上限値です。
これよりも太いまたは長いラインを巻くと巻ききれませんし、100m以上短い、もしくは8割以上細いラインであるとキャストする際にスプールのふちにラインが引っ掛かってうまく投げられなくなります。
感覚値ですが巻けるラインの上限・下限は1.5-200mという表記なら、1.0号200mを巻ける、1.0-200という表記なら0.6号を200m巻けるくらいのイメージです。
まとめ:初心者が選ぶべきシーバスタックルのライン
ここで、初心者が選ぶべきシーバスタックルのラインをまとめましょう。
PEライン使用の注意点
釣り初心者がしでかしてしまう一番多いトラブルが、ラインに関するトラブルです。
ラインが切れる(ラインブレイク)、ラインが絡まる(お祭り)などです。糸は非常に細く、絡みの解消や付け替えには長い時間をとられます。逆に、ライントラブルがなければ釣りの時間を長くとれ、釣果を伸ばすチャンスです。ここでは、釣果アップのためのPEラインの注意点を解説します。
PEは「擦れ」に弱い
PEラインは垂直に引っ張る力は大変強いのですが、擦れ(すれ、こすれ)に弱く、すぐ切れます。
PEラインはポリエチレンという素材でできた極細の糸を4本~8本編み込んで作られています。そのため、引っ張りには強くても、1本1本の糸が細いせいで水中の障害物やコンクリートへの擦れに極端に弱いのです。
そのため、ロッドを立てかけるときにラインがコンクリなどに触れないようにすることが重要です。投げているときは水中の障害物などに触れないようラインのコントロールをし、ヒットした際はシーバスが障害物に隠れないよう注意しなければなりません。
キャスト時「フェザリング」を必ずする
PEラインが絡まないように、キャスト時、フェザリングをしましょう。
フェザリングとは、キャストし、ルアーが着水するまでに人差し指を軽くリールのスプールにあてることを言います。
PEラインは細いため、風が強いときなどは必要以上にラインが出て行ってしまうことがあります。必要以上にラインが出ると糸ふけの原因になり、ラインがこんがらがってライン交換しなくてはならなくなります。
しかし、フェザリングを行うことで、これを防止し、長く安全にラインを使用することができるようになります。
保管は日光の当たらないところで!
リールの保管は必ず室内の日光が当たらないところにしましょう
PEは要はプラスチックです。もちろん紫外線に耐える加工は施してありますが、長時間置いておけば劣化が早く進んでしまいます。
おすすめのPEライン
ピットブル
大手メーカーシマノのPEライン「ピットブル」。大変安いですが、編み込みが丁寧できめ細やかな表面は見ていてもわかるくらいです。繊維のキメが均一なので感度もよく、冬場などのシーバスの緩いアタリも見逃しません。
わたしは2年ほどずっとピットブルを使用しています。
エックスブレイド アップグレード
エックスブレイドの良さは圧倒的なリピーターの多さ。「これ以外のラインを使うのが怖い」「下糸が見えるまで使っている」などという声が多数あります。それくらい切れない高品質なラインです。
1mごとにに白い目印(ホワイトマーク)がついているため、ラインが何mでているのか、とか、巻き速度がどのくらいなのかなどのアタリがつけやすく、巻き速度などで迷いがちな初心者おすすめのラインです。
シーバスタックルの「ショックリーダー」の選び方
ショックリーダーとは、メインラインの先端に直結させる糸のことです。
擦れに強いため、先端に接続することで、シーバスがヒットした際などにラインが切れる事態(ラインブレイク)を防ぎます。
必ずショックリーダーはつけるべし
たまに、ショックリーダーをつけず、PE直結で釣りをしている人を見ます。しかし、かなり危険な行為なのでやめましょう。
つけていないと障害物近くにルアーを通すときにプッチン。シーバスがヒットしてやり取りしているときにプッチンです。ルアーは1点1500~2000円以上します。しかも、ブレイクしたらお財布にダメージなだけでなく、環境にもダメージです。
シーバスだって最初の頃は1回1回のヒットが本当に貴重なものです。その機会を無駄にしたくないですよね。面倒ですがリーダーは必ずつけましょう。
ショックリーダーの材質
ショックリーダーの材質はフロロカーボンラインかナイロンを使用します。フロロの方が擦れに強いため、初心者にはフロロカーボンラインが断然おすすめです。
ナイロンはフロロに比べシーバスをバラしにくいため、そちらを好んで使う方もいます。ただ、傷つきにくさではフロロのほうが優れています。道糸を太くするのと同じで、初心者はラインの扱いに慣れておらず、よく障害物に擦ってしまうことがあるためです。
ショックリーダーの太さ
ショックリーダーは4号(16ポンド(lb))がベストです。
リーダーの太さには以下のような関係があります。初心者は4号くらいから始め、磯などに行く際は8号など太め、冬は3号にするなど調節するとよいでしょう。
ちなみに、フロロカーボンラインの太さの表記は、「号」以外に「ポンド」でも表記します。単位は「lb」です。1号=約4lbなので、号に4倍すればよいわけです。
ショックリーダーの長さは1ヒロ
ショックリーダーの長さは1ヒロが標準です。1ヒロとは、手を目一杯広げたときの長さ。1.5m前後と呼ばれています。
磯のような足場が高い傾向があり、ゴツゴツした岩場の場合は2~3ヒロにすることもあります。
しかし、あまりリーダーを長くすると飛距離に影響してくるため、できるだけ短くするのが鉄則です。
ショックリーダーとメインラインの結び方
リーダーは道糸(ライン)と直結します。結び方はFGノットが一般的です。結束が強いうえに、ガイドに引っかかりにくく、安定したキャストと飛距離を出すことができます。
結び方はいろいろあるのですが、一番簡単なのはプロシーバサーとして有名な高橋大輔さんの以下の動画の結び方です。
とはいえ、最初は難しいのも事実。釣り場で結ぶと時間がかかります。
家で何度か練習し、結ばれた状態のままで釣りに行くのが◎です。
おすすめのフロロライン
ヤマトヨテグスは短くて安いリーダーです。お手頃なのでおすすめしています。安いため性能が心配になりますが、私はこれまでリーダーが切れてブレイクした経験は全くありません。
ラインメーカー大手のシーガーが出している「グランドマックス」はプロも使用している有名リーダーです。とにかく強度が段違いで、リーダーを細くしないと食ってこないような激スレフィールドに着けていくと◎。
私は冬場の活性の落ちている時期はヤマトヨテグスからこちらに転向しています。お高めなお値段ですが、冬場だけであれば1回買えば済みます。それで釣果が違うならお安い物だという判断です。