釣りを始める際、疑問に思うことが多いのに、あまり取り上げられることがないのがリールです。釣り道具のなかで基礎の基礎ですが、最も部品や可動部が多く複雑です。
今回はリールの超基本的、だけど間違いやすいあれやこれやをQ&A形式でお送りします。基本的に初心者が扱うもので、かつ私も十分な知識がある「スピニングリール」を取り上げます。
リールについてのQ&A
Q1:ハンドルがグラグラする。関節が折れて使えない
A、ツマミを回しましょう!
購入したリールが写真のようになっていた。もしくは、グラグラしていて扱いづらい。回しにくいし、外れちゃいそう…そんなことありませんか? これは、反対側のツマミを締めることで解決します。
これは自然と緩むこともありますが、新品だとあえて緩めたままのことがあります。また、釣具屋に持ち込んで修理を頼んだり新品のラインを巻いてもらったりすると緩められてしまうことがあります。
こんな時は慌てず、ツマミをそっと締めましょう。魚を寄せる時にハンドルが外れると大変なので、キツめに締めたほうが良いです。ちなみに、最後まで緩めれば、ハンドルを外せます。お手入れやハンドルの位置の取り換え(いずれも後述)時に使ってください。
Q2:ハンドルを付ける位置は右?左?
A、好きな方でOKですが、利き手の反対側がおすすめ
新品では大体は右側にハンドルがついています。前述の通りリールのハンドルは取り外しができますが。右左どちらに付ければよいでしょうか。
結論としては、好きな方に付けるとよい、です。
ただ、私は「利き手の反対側」に付けることをおすすめします。なぜなら、取り回しが楽だからです。ルアーマンはキャストの機会が多く、フェザリング(糸の放出中、糸の出過ぎを防止するために指でスプールを軽く抑える行為)をする必要もあります。
キャストは普通利き手側の腕(利き腕)ですることになると思います。そんなときに、利き手側にハンドルがついていると、①利き手でキャスト→②ルアー着水後、反対側に持ち替えてハンドルを握る…という段階を踏むことになり面倒です。
もし、利き手の反対側にハンドルが付いていれば、キャストし、そのままハンドルを回す、と段階が減り、操作が楽になります。
ルアーでは着水直後に魚が食ってくることがあります。そんなときにロッドを持ち換える操作が必要になると合わせが遅れ、バラしの原因になります。
キャストを反対の利き腕でするのは難しいですが、ハンドルを回す動作はすぐに慣れることができます。ぜひ一度考えてみてください。
Q3:ハンドルの逆回転が止まりません。どうすれば?
A、リールの裏のスイッチを切り替えよう
ハンドルは逆時計回りに回すと糸が回収できますが、通常は逆回転(時計回り)はできません。しかし、新品などでは逆回転してしまうことがたまに起こります。
これは故障ではありません。メーカーによりますが、だいたいはスプールの後ろ、リールの裏(写真)のあたりにスイッチがあり、これを切り替えることで逆回転を止められます。
ルアーではほぼ使うことがないスイッチなので、なぜこんなの付けたの?と疑問に思うかもしれません。実はこれ、サビキ釣りなどでは必要な機能です。
ルアーも上級者になるとレバーブレーキ付きのリールであえてこのような仕様にする場合もありますが、初心者はいったん忘れてよい機能です。
Q4:リール(ロッド)の持ち方、大丈夫?
A、リールの部分を挟み込む形で持ちましょう!
ロッドを持つとき、こんな持ち方していませんか?
よく見ます。確かに、ロッドの後方は持ちやすそうなデザインしていますから、どうしても持ってしまいがちです。しかし、これは正しくありません。
なぜなら、この持ち方では、大物がかかった時にすっぽ抜けをする可能性があるからです。加えて、疲れやすい持ち方であることや、ルアーアクションにおいてロッドの最大限のポテンシャルを引き出せないこともその理由です。
ロッドはリールの接続部分を挟む形で持ちましょう。
この方が安定して持てるため、大型のシーバスなどがヒットしても、すっぽ抜けることなく、安定した合わせができます。また、リールの取り付け部分がロッドの比重としては最も重いため、ここが重心になります。
物体の重心をもつことで最も力を抜いた操作が可能になります。この位置で持てば、長時間投げ続けても疲労が蓄積しづらく、かつ、ルアーの繊細な操作が可能になります。
Q5:糸が無限に出て止まりません
A、「ドラグ」を締めましょう!
ドラグといって、スプールの先についているつまみを締めます。
ドラグは、大きな魚がかかったときに、ラインが切れないようにつまみを締めた強さに応じて糸が出ていく仕組みのことです。ですから、ギチギチに締めてしまうとラインブレイクの原因になります。
ドラグの締める程度は客観的指標があります。しかし、とりあえず少し糸を引っ張ったらジジジ…と糸が出ていく、くらいの強さまで締めましょう。
購入したてやメンテナンスなどで釣具屋に渡すと、ドラグがゆるゆるになって帰ってくることがあります。その際はハンドルのツマミと同じで、あわてず騒がず、ドラグを締めてみてください。
私は最初故障かと思ってお問い合わせしてしまうなど、恥ずかしい体験をしました(苦笑)
Q6:リールのお手入れの仕方はどうすれば?
A,ドラグを締めて水洗い!たまにオイルを指そう。
リールは釣り具の中で最もパーツが多いため、メンテナンスをすることが長持ちのために重要です。ただ、いちいち分解する必要はありません。
まず、通常の釣行から帰ってきたらドラグをギチギチに締めて水洗いしましょう。ついている砂や塩を洗い流すだけです。ドラグが緩いままだと内部に水が浸入し、サビの原因になるため要注意です。終わったら軽く拭いて風通しの良い場所に置いておきます。締めたドラグは次回釣行の際緩めることを忘れずに。
4~5回の釣行や、1~2か月に一回は油を指すと長持ちします。油は「グリス」と「オイル」の二種類あり、どちらも一度のメンテで必要なのでセットで売っていることがほとんどです。
2000円もしません。私がよく使っているのはダイワのグリス・オイルです。
よく稼働する部分にはオイル。稼働ではなく単に錆びを防ぎたい部分にはグリスを指します。綿棒などがあると細かい部分の汚れなどを落とせてオススメ。
注意すべきはベイルアームの取り付け部など、細かい部分のネジを取ると戻すのが大変…というか、知識のない方だと戻せなくなることもあります。初心者でも外しても大丈夫な部品は、ハンドルのつまみとドラグのみ。ほかは釣具屋に行くか参考動画などを探してやったほうが良いです。(参考動画あげます)
1万円以上する高額のリールを使用されている方はメンテナンスは一度釣具屋に行き、専門の方の意見を聞くことをお勧めします。
リールメンテした!なんか、完全に分解は怖くて無理だった。どうにかならないかな…。でも、ゴミ取って油刺したら変な音しなくなった! pic.twitter.com/0OM4ZzCfwa
— すずき(鈴木・鱸) (@fishandugio) September 15, 2020
初心者必見のおすすめリール
ここからは、初心者におすすめのリールをご紹介します。
これまでさんざん写真で登場したのは、我がタックルでシーバス釣りを支えてくれているレガリスです。ハイギアといって、ハンドル1回転当たりの糸の巻量が多いモデルになります。
気に入っているのは主にデザイン(ロッドとメーカーを揃えています)なんですが、巻き感もメンテナンスをしっかりすれば長年持ちます。わざわざ1万円以上する高額モデルは要らないかなと思い始めています。
シマノはもともと自転車メーカーです。自転車の性能を決めるのはベアリングという、タイヤをスムーズに回転させる部品。シマノはその技術を持っているため、リールについてもベアリングを必要とするスプールやラインローラーなどが非常にスムーズ…に感じます(主観です)
私のようにダイワなどのメーカーにこだわりがないのであれば、同じ値段出すなら最初はシマノが良いかもしれません(私は予備用のリールがシマノです)。
リールの疑問、更新していきます
ここまであげた疑問。ほかに初心者の方からよされた質問や「そういえば自分も最初のころ困ったなぁ」ということ、思い出したら追加していく予定です。
リールは3000円以下はすぐに壊れるし、スプールから糸はこぼれるなど致命的な欠陥を抱えているものが多いです。ですが5000円以上のモデルならどれもそん色なく素晴らしい。釣果に影響するのは巻きスピード(ローギアか、ハイギアか)の違いであって、これはどの価格帯でも存在します。
釣りが上手になって、アンタレスやステラなど、個人的なこだわりが出る(なおかつ金銭的余裕がある)までは、ここでご紹介したようなリールで十分ではないかと私は考えています。