昔から青物やタチウオの好ポイントとして人気のあった福浦岸壁が生まれ変わり、新たに釣り施設になりました!
2019年の台風15号で破壊されてから立ち入り禁止になり、一時期は一生釣りができなくなるのではと心配もされました。しかし、多くの方の協力もあり、2023年4月28日に釣り施設としてオープン。
ただ、投げ釣り禁止など、いろいろな規定もあるようです。本記事では新しくなった福浦岸壁(金沢水際線緑地)の釣り場の情報と、釣りのポイント、注意点などを解説します。
「金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)」の概要
福浦岸壁は正式名称を金沢水際線緑地(かなざわすいさいせんりょくち)と呼びます。一時期仮称として「金沢海釣り施設」という呼称も使われていました。ちなみに緑地はありません。
元は福浦岸壁の通称でタチウオなどの釣り場として親しまれてきましたが、2019年の台風15号により大きな被害を受け一時立ち入り禁止になりました。
その後、未曾有の高波にも耐えられるよう堤防の強化を行ったうえで、堤防の上が釣り場・遊歩道として2023年4月28日に開放されました。

料金は無料(有料駐車場でマネタイズをしている模様)。潮通しもよく、もとは「タコやタチウオの好ポイント」です。オープンしたばかりで現在の釣果は不明ですが、潮通しの良さは変わらないのでシーズンにはまたタチウオやタコが上がるのではと期待の声が上がっています。
ちなみに以前の福浦岸壁はこんな感じです。

金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)のアクセス・駐車場
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は、横浜シーサイドライン「福浦駅」もしくはその隣の「市大医学部駅」から徒歩10分ほどです。金沢文庫からシーサイドラインの乗り継ぎが少々不便ですが、駅から釣り場までは歩いていける距離なのはいいですよね。
車の場合、首都高速湾岸線「幸浦」を降りてすぐです。
釣り場の目の前に駐車場があり収容台数は250台以上なので、よほどのハイシーズンでもなければ停められるでしょう。料金は最大600円と、1000円前後のこの辺の相場としては割安です。


金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)の設備
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は、2023年にオープンしたばかりで設備も整っているほか、とてもきれいです。旧福浦岸壁時代はトイレなども整備されていなかったのでとてもありがたいですね。

トイレ・水場
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)はトイレが2か所あります。当たり前ですが整備されたばかりで大変きれい。もちろん洋式。ウォシュレットもついています。

水場も整備されています。リールやバケツを丸洗いできるのは良いですよね(詰まるため、コマセをそのまま流すのはやめましょう!)。

自販機あり
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は、自販機が整備されています。その数4台(南側に3台、北側休憩室内に1台)ありました。飲み物には困らなさそうです。

ただ、釣り場は日影がなく、7月~9月は相当暑くなることが予測されます。4台の自販機もすぐに売り切れや小銭切れになる可能性があります。暑い時期は事前にコンビニで買っておくなど、飲み物の確保は要注意です。
休憩室あり/売店はなし
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は名目上釣り施設というよりは遊歩道として整備されたものですので、散歩に来た人が休めるような休憩室が用意されています。

少し小さめですが、中にはテーブルとイス、自販機が設けられていて、冷暖房完備です。夏や冬、釣りの一休みに重宝しそうですよね。
「釣り場の休憩室」というと、本牧海釣り施設にあるような売店付きのものをイメージしますが、金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)の休憩室はかなり簡素な作りで、自販機はありますが売店はありませんので注意が必要です。

また、休憩室が開いているのはAM5:00~PM11:00までです。一般の散歩者は関係ないですが夜通し釣りをされる方はご注意ください(その下にあるトイレは24時間使えます)。
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)の釣り場
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)の釣り場の詳細についてみていきましょう。釣り方や禁止事項なども要注意です。
南北に約1kmの広大な岸壁
地図で見るとわかりますが、金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は南北に1kmにわたって広がっています。そのすべてに入れるわけではないですが、釣り場はかなり広大。平日なら間違いなく入れます。

ただ、訪れた2023年5月1日(月)はゴールデンウィークとはいえ平日でしたが、釣り場は隅々まで人がいました。まだ入れる広さはたくさんありましたが、夏休みや秋などのハイシーズンは怖くなる混み方です。ハイシーズンではご注意ください。
アジやカサゴ狙いが中心となりそう
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は、後述しますが投げ釣り不可のため、足元狙いのサビキ釣りや、浮きふかせ釣りなどが中心になりそうです。シーズンにはアジやイワシが狙えるほか、ウミタナゴ、カサゴも釣れます。
ルアーはもちろん投げられませんが、ジグなどを足元に落とす岸ジグなどでワンチャン大きなフィッシュイーターが狙えるかもしれません。空いていれば落とし込み釣りでシーバスやクロダイを狙うのもよいでしょう。
なんと!昔は横浜でもよく釣れていたアイナメも釣れたそうです。夢が広がりますね。
タチウオ・タコの好釣り場
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)はもともと福浦岸壁と呼ばれていたころから、潮通しの良い釣り場で、「釣れる」と話題の釣り場でした。
なかでも、タチウオの回遊がよくある場所で、その昔はタチウオテンヤや泳がせ釣りなどでタチウオを狙う釣り人でにぎわっていました。2019年のタコブームのときはタコもよく釣れました。
今は投げ釣りが禁止なので、投げる必要のあるタチウオテンヤは不可能です。サビキ釣りなどでアジを釣り、泳がせ釣りで釣れる可能性があります。ただ、投げる必要のあるエレベーター仕掛けは不可です。また、お祭りしないよう、混んでるときは控えましょう。
高すぎる堤防に注意!
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は台風の高波や地震による津波対策のために、従来の堤防の二倍の高さに嵩上げされ、現在では海面から7~8mほどの高さになっています。

釣り場も、かなり高い壁があります。上記の画像は子供目線で撮影したものですが、これを見てわかる通り、男性でもやりづらいです。背の低い方や子供は何か台を持ってこないと釣りができません。
また、堤防の上から海面まで7~8mあります。水汲みバケツのヒモは8m以上のものにしましょう。たも網も8mのものを持っていたほうが安心です。

ただ、壁が高いので取り込みは難しいと思います。乗り出しは禁止(というかかなり危険)なので、シーバスなどの大型でバレやすい魚を釣ることは控えたほうがいいかもしれません。
投げ釣りは禁止!
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は投げ釣りが禁止です。その他の禁止事項も以下のとおりです。
釣り施設ではありますが、投げ釣りはダメ。キスやカゴ釣りの大遠投はもちろん、オーバーキャストになるルアー釣りも不可です。
福浦岸壁は投げ釣りこそ面白い魚が釣れるのですが…ルールはルールですので、必ず守るようにしましょう。
管理人が取材で訪れた際にはなんと投げている方が数名いました。ごみのポイ捨てを含み、こうしたルール違反が横行すればいずれ釣り自体が禁止になったり、立ち入り禁止になったりするリスクもあります。将来の釣り場のことも考え、ルールやマナーを守っていただけますと幸いです。

金沢水際線緑地の投げ釣り禁止措置の事情
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)は護岸の補強工事の際にかなりの嵩上げが計画されていたので、もともとは海釣り施設にしない方向性だったのではと思います。しかし、市議会議員の方が地元の振興のことを思い、釣り可能な施設にするための働きかけをしたそうです。
【充実した論戦】
— たけのうち猛 (@Takenouchi_T) March 6, 2020
午前中、港湾局の事業審査の質問に立たせて頂きました。
「復旧する金沢臨海部の護岸の一部を『海釣り施設』に!」「アウトレットパークとクルーズ船を結ぶシャトルバスを、金沢区内の他の観光施設にも拡大を!」との提案・要望に対し、全て極めて前向きな答弁を頂きました。 pic.twitter.com/S9tHvs7JNv
ここからは完全に管理人個人の主観的推測です。
旧福浦岸壁の釣り人は地元の人にはあまりよく思われていなかったのではないでしょうか。というのも、旧福浦岸壁時代は釣り場のマナーと治安が非常に悪いことで有名だったのです。
例えば、ごみのポイ捨ては日常茶飯事でした。よくある「仕掛けのごみが捨ててある」レベルではなく、袋にゴミをまとめ、そのまま置いていくというもはや犯罪レベルのごみ捨てです。

なんか、セルフのゴミ捨て場みたいなのが作られていましたよ…。
その他、路上駐車が横行し、常連さんの乱暴な会話が聞こえてくるような釣り場だったのです。おまけに治安も悪く、「トイレに行っている間にタックル一式が盗まれた」という話をよく聞く釣り場でした。
そのため、地元の人にとっては、ここを釣り場として開放しておくことにメリットがないわけです。地元の振興という名目でかろうじて釣り場になりましたが、正直最低限のこと以上はしたくないというのが本音ではないでしょうか。
この辺は漁船の行き交う海域で、ノリの養殖もしているエリアであり、投げ釣りは迷惑と考える漁業者もいるのではと推測されます。こうした事情から「高い壁で釣りにくい構造」「投げ釣り禁止」という「できるならやってもいいけど…」という感じの釣り場になってしまったのだと思います。
まとめ
金沢海釣り施設(福浦岸壁・金沢水際線緑地)が整備されたおかげで、いろいろありつつも、貴重な福浦岸壁という釣り場を失わずに済みました。これは横浜市に感謝しなければなりません。
ただ、釣り施設にもかかわらず投げ釣り禁止というのは、バッティングセンターでフルスイング禁止といっているようなもので、正直素直に喜んでいられないというのが感想です。
これ以上釣り場を減らさないためにも、釣りをされる皆さんはぜひともマナーを守って楽しい釣りをすることを心掛けていただくことを願ってやみません。